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秘密兵器   2009年12月16 日

なんか内輪ネタばっかだな。
いやちゃんとお客さんの車やってますからね。 本当。
内輪ネタばっかり書いてるとうちの車はどうなってますか?見たいな問い合わせ増えちゃって。・・・・・・・。

もう年末でというか年末前から年末始まってるみたいなもんで工場はめまぐるしくいろんな車が出たり入ったりしてる。
なぜか車検がひっきりなしにきてる。 それもみんなぎりぎりのばっかり。
皆さんボーナス出たんだか、車検や修理、部品や車のお問い合わせも多くて。

で、何人かの方からお問い合わせいただいたサンテシアの秘密兵器なんだけど、聞かれても答えるの面倒だからここに書いちゃお。
今回のサンテシアは去年の同じ時期の走行会以来1年ぶりの稼動。
一年間な〜んもやってなかった。
でもこのままじゃあタイムも早くならないし、同じ状態で走りに行ってもつまらない。
なので秘密兵器を大枚はたいて導入。

結果スポーツランド山梨で1秒のタイムアップに成功。
というのはすでにお伝えしたとおり。

じゃあ具体的に何やったの?ってことなんだけどそれはね〜。
これ。LSD。 いえ〜い。
純度高いもんだから、もうラリっちゃってアクセル踏みっぱなしでもブレーキ踏まなくても怖くないくらい効き目が。
ってそっちの方じゃなくて リミテッドスリップデフ。

プジョー用は日本製なんかもあって簡単に買えるんだけど、ルノー用はなかなか無くてね〜。
結局クワイフを組みました。
実は今年の頭ポンドが下がったときにクワイフから直接買った。
組む暇なくてまた直前の突貫工事。

組むって言ったって簡単じゃないのよ。
エンジンおろ〜す。
サブフレームごと。
そしたらミッションはずす。
そしたら今度はミッション全バラし。
ここがこのミッションの弱点
このベアリングを止めてる部分のケース自体が割れるのよね。
そしたら今度はデフ取り外し。
左LSD 右OPEN
ミッションの中には鉄粉取りの磁石
見るとわかるけどLSDにはリングギアがついてないでしょ?
なのでこのリングギアを移植しなくちゃいけない。
これが厄介なのよ。
観察するとリングギアは焼き嵌めしてあってそれが抜けないようにあとからプレスでカシメてある。
カシメ部分をタガネでぶっ欠いてリングギアを酸素であぶる。
あぶる。
満遍なくあぶる。
だいたい250度くらいだったかな うらから叩いて抜く。
ごろん
デフオイルは燃えるし、物は重いし、熱いし。結構怖い作業。
♪あ〜つい あ〜つい おもい〜。

そしたらいい写真撮り忘れたんだけど加工屋さんにだす。
クワイフのデフに加工指示書の図面が入ってるのよ。
結局もう一回焼き嵌めするから 万が一 空回りするとまずいでしょ?
最悪リングギアが割れて高速回転で破断したらこわ〜。
なので
よく見るとわかるけど内側の2箇所に半円形の切り欠きを切ってもらった。
で、上の写真はストーブの上に乗っけてあぶってる。
ちょいボケてるけど388度。
このストーブ上の鉄板は430度超える。
実際何度も計ると300度前後までリングギアはあったまったのかな。
結構な熱膨張で、そろそろかな〜なんておもってあてがったらスポ!。
あぶなく全部入っちゃうところだった。

そしたらリングギアにLSDを入れる。
LSDはリングギアと周り止めをするために8Φのボールを入れる半球形がほってある。
で、さっきの半円形の溝に玉をいれて周り止めにする様になってる。
ひとりで2個の玉をいれながらデフは差し込めないから2人呼んで一個ずつ玉担当。
触ったら結構熱いはず。^^;

でも熱いうちに一発勝負でやらないとリングギアはどんどん収縮して行ってるから手早く。
デフは熱いうちに刺せ。
おまえら絶対デフ触るなよ。 ヤケドするぜ。 うははは。
溶接用の手袋して差し込む。
無事完了。

そしたら冷えるのを待つ間ケースの方を作業。
デフは見たことも無いようなでかいテーパーローラーベアリングで保持されてる。
こいつを交換。
アウターレースはきれいに磨耗。
だから交換。
そのほかのシールやらなんやらも今しか交換できないから交換。
ちなみにそこらへんの部品日本に在庫無かったよ。

あらかじめあれこれ取り寄せておいてから作業しないとばらばらの状態で頓挫するよん。

そしたらまた組んでやって車に乗せる。
プジョーはデフだけ外れるからいいけどルノーのミッションは大変だよ〜。

クワイフはトルセンデフなんでミッションオイルはLSD用じゃなくて普通のやつでOK。
Motulの80-140いれといた。

とまあそういうわけです。
走った感じは意外とマイルド。
さすがトルセン。
アクセル踏むといつの間にか効いてる感じ。
こりゃ乗りやすくていいや。町乗り楽だよ〜。

プレート式のデフを組んでる日本車のお客さんとかバキバキいわせて走らせてるから試乗のときとか近所から好奇の目で見られる。
でもこれはそういう物音ひとつしないからいいね。
でも効果音が無いから効いてる気がしないのもちょっと寂しいけど。

サーキットでどうなるか楽しみでしょ〜。

今日時点では他にもミッション2機がバラケてる。
どっちもデフ関係。
今回不思議なことわかっちゃっていまいろいろ調査中。
私が知らなかっただけなのか、それともみんな適当に組んでるのか。
こいつはA110のデフシールはなぜ漏れるのか。
その根本原因を突き止められるかもしれない。

まあ、どの道とまらんとはおもうけど。^^
ミッション地獄。 ミッションオイルくさくてやだ〜。


 




 海外での携帯の使い方  2009年 10月 28 日

この時代やっぱり携帯電話は必需品。
とくに私みたいに一人であちこち行ったり、連絡を取らなきゃ行けなかったり、行き当たりばったりなことしてると携帯は必要。
そうなると海外で携帯をもつことになるんだけど、一体如何すればいいか。

まず日本の携帯は基本的に海外で使えない。
その理由は、海外での通信形式、電波帯、料金 の問題があるから。
最近では海外携帯とかいってどこの携帯会社も海外でそのまま使える携帯が出てるんだけど、今度は料金が高い。
どこに電話するのも国際電話になっちゃう。

となると次に考えるのが現地で携帯を買う という方法。
もちろん安く買おうとするといろんな制約があるんだけど、フランスの場合はプリペイド式の携帯を買えばいい。
そうするとヨーロッパで使える安いやつは大体4〜50ユーロで買える。 5〜7000円くらい?
で、それについてくるシムカードで無料通話分は話ができるし、シムのチャージが切れたらまたチャージすればいい。
チャージが切れても着信はできる。

もし日本の海外対応携帯を持っていてそれがシムロック解除できればその携帯に現地のプリペイドシムを買ってさせばいい。
そしたら普通に使える。
(もちろん日本の携帯電話番号はお休みになりますが。)

逆にフランスでプリペイドの携帯を買うときに割高だけど現地で日本対応の携帯を買うとする。
そうするとフランスは購入後半年したらシムロックを解除できるようにする法律があるからそれをシムロック解除できる。
半年たった携帯をシムロック解除してdocomoやsoftbankのシムをさせば日本で通話できる。
通話できるという意味はまた難しくて、その携帯が日本語対応してるかどうか という問題がある。
日本語対応して無いとメールが読めんのよ。Nokiaなんかは日本語化できるから例外もある。
もちろん海外携帯のほとんどはi-modeに対応してないからdocomoの人はこの時点でアウト。
これも例外の機種が数機種だけあるけど。

まあいろんな要素があっていろんな使い方をしなければいけないんで私は携帯マニアかといわれるくらい携帯を持ってます。^^;
普段使いは電話用に使ってるdocomoとメール端末として使ってるiphone どっちも海外対応。
それにシムロック解除した世界中どこでも使える携帯を1個持ってます。
だからトランジットの空港でも電源入れれば大概はどれか電話が通じる。
現地で公衆電話使うの難しいよ〜。 まじで。


そんなわけで知らない国で思い立ったときにすぐすぐ動かないといけない。
そのうえ方角もわからないのにそこへ行かなければ行けない。
PC持ってたりすれば別なんだけど、最近はいいアイテムがあってね。
半年くらい使ってるんだけど i-phone

もともとマッキントッシュの営業やってた私はアップル嫌いなんだけど、Windowsも別に得意じゃない。
でもコンピューターは無いと商売にならないし、PCだって事務所で4個、マックも1個動いてる。
考えられん。夏は暑い。

で、そんなだけどどうしてもPDAがあれば便利だろうと思って安いから買ったのが i-Phone なの。
もともと興味が無いからこんなもん電話としては役に立たん。
音楽は聴かないし。
電話もかけられるメール端末くらいに思って買った。
そしたら簡易ナビとしてつかえるじゃああ〜りませんか。

特定の車に乗ることはほとんど無いから自分の車にナビなんてはなっから無い。
でも知らないどこかに行くことが結構ある。
だから意外と便利に使ってる。

でもこれって日本で使うにはソフトバンクの端末を買うじゃない?
そうしないと今度は毎月の支払いが高くなっちゃう。
だからソフトバンクから買った。 学割で。^^;

フランスではシムロック解除されたi-Phoneが売ってるけどこれをソフトバンクに持ち込んでも
 i-Phone for エビバディパッション(古!) 
みたいな名前のパケット定額の対称にできない。
だからソフトバンクから買った。

そしたらこの便利なアイテムを海外でも使いたいじゃない。
ナビはGoogleマップを使うからパケットが使えないと表示できない。

でもソフトバンクのシムで海外でパケットやるとパケ死するじゃない?
機内モードにして無線LAN=Wifi (ワイファイ。フランス語だとウィーフィー)で使う分には問題が無いけどそれじゃあWifiがないとこじゃあナビは使えない。
(人間は考えるからナビですべての画面50枚くらいスクリーンショットとって使うという手もある。てかやったし。^^;)

ここで本題。
これがフランスでも現地のパケ放題契約でつかえればいい。
どうするか。

i-phoneをフランスで使う方法。

簡単。

まずi-phoneのシムロックを解除する。
ネット探せばごろごろしてる。
脱獄とかJailBreake とかっていわれてる。
なんとかsn0wとかってのをいれればいい。

それをやるでしょ?
そしたらどこのシムでも使えるようになるのよ。
日本でためしにドコモのシムを入れて見るとつかえた。
フランスのシムを入れてみるともちろんローミングでつかえる。

この状態で使っちゃうとやっぱりパケ死する。
i-modeはもちろん使えないし。

そしたら今度はフランスでパケットし放題にすれば解決。
具体的な方法は、フランスでシムを買う。
プリペイドのシムが携帯屋でもタバコ屋でも売ってる。
数ユーロからかえる。 まず電話用のシムを買うでしょ?それにいれかえる。
これで電話番号がもてる。
そしたら今度はパケ放題のチャージをするのよ。

今回はフランスでは オランジュ とかエスエフエル(SFR)とかの携帯会社があるんだけど、SFRは7日間でパケットとメール無制限で10ユーロってのがあるのよ。
そうするとソフトバンクのi-Phoneが変身する。

具体的には
1、通話  プリペイドのチャージ分電話はかけられる。切れても着信は3ヶ月間できる。
2、現地電話番号がもてるから現地の国内携帯電話になる。
  日本からだと国際電話だけどね。
3、i-Phoneでネットし放題。=ナビが全部動く。メールも全部受けられる。
ということになるのよ。

ただし注意点はソフトバンクのシムは抜いちゃってるからソフトバンクの番号に着信があってもまったくわからん。
という状態になるのよ。

私はdocomoを電話として使ってるからそれはそのまま生かしておく。
i-modeメールだけは選択受信にしておいて日本に戻ってから全部受け取る。
写真とか送ってこられるとたまらんし。
で、Iphoneは先述のとおりSFR端末になってる。
で、Softbankのシムはシムロック解除した現地携帯に入れておくので発着信はできる というふうにしてんのよん。

日本携帯の海外での着信は着信料がかかるのであとは出るか出ないか考えて出ればいいんじゃない?

うちのお客さんでもI-Phoneを使ってる人たくさんいるの。
馬鹿なんじゃんAppleでしょ?とか、そんなの女子供のおもちゃだろ〜 とかいってるんだけど自分でも使ってる。
でもいまある中では比較的安く、自由に使える便利な物としてはいい選択肢でしょう。
シンビアンOSで動く携帯もでたけどこれだけ勝手にいじれて海賊ソフトまで出てるのはそうそう無いでしょう。

まあ普段は脱獄携帯である必要が無いから元に戻しておく方がいいかも。
やっぱりなんか不安定だったりもする。

でもI-Phoneってほんとに使ってないときはバッテリー充電 これ原則だよね。
電源無いと戦いにならん。
おまえはエヴァンゲリオンかっての。
たまに暴走するし。^^;

何とかならんかねえ。
古い車だとシガーライター無いから大変なんだぞ。^^;

こういうの道具なしで
やんの大変なんだから。


ああ、そうそう。
2Gが使える国ではバッテリーのもちがいいよ。
1日もたなかったものが2日弱つかえるよ。


こんなこと車屋のホームページで書くことなのか?^^;



 ナンバー灯なおしてみた  2009年 3月 22 日



アルピーヌのナンバー灯を直してみました。
この辺の車になるともうどの部品も賞味期限切れで、電装関係だと接触不良や配線折れ、アース取れない、錆で終わってるなどの理由でよくトラブる部品です。
テールランプ類なんかだと自分ではほとんど気がつかないんでたちが悪いですよね

今回はナンバー灯を直してみました。
実はこの車スモールランプ系統が全滅してた。
スモールつけてもメーター以外どこもつかない。

こりゃヒューズだろ ってヒューズないし。
でもどれもつかないってことはステアリングコラム周りだろうと思うじゃない?
ばらし始めたけど違う気がしてもう一人はヘッドライト周りに電気が来てないか確認させる。

そしたらヘッドライトのスモールのところには 12Vきてます〜って。
じゃあいっこいっこ直していこう に方針変更。

ヘッダライト裏は
スモールのバルブどれだかわかる?
配線折れちゃってる。
しかもヘッドライトの配線はボディー同色に塗られちゃってるし端子は抜けてきちゃってる。
この辺だけ直してもまた何かトラブる。

でも今回はスモールだけ。^^。
スモールのバルブのホルダーを捨てちゃって最近のプラスチック製のホルダーにウエッジ球を差し込んで交換しておいた。

逆のフロントスモールは配線切れてた。
修理。

じゃあリアは? っていうと後付でなぜかヒューズボックスがついててそれの接触不良。
不思議なヒューズBOXでなぜか テールランプ、ブレーキランプ、イグニッション、なんかがとても小分けしてあった。
普通ヒューズボックスつけるならもっと上流で大きな系統ごとに分けるだろ〜。^^;
そんな電球みたいなのだけ分けてもねえ。・・・・・・。

で、最後にナンバー灯だけつかない。
ちょこっと触ってみたらぼろぼろとと崩れ落ちた。
は〜あ。
なんかいっぱい出てきちゃったよ。
樹脂でできた部品が真っ二つになってるし。
もうカラカラに乾いちゃってて触ると欠けちゃう。

電極も飛鳥時代の古墳から出てきた青銅器みたいに変色しちゃってこんなもん使っても ってかもう いらんわ!こんなもん。
ぽいぽい。
ゴミ箱にいって鬼はそと しちゃおうかと思ったんだけどまてまて。

ゴミ箱から拾ってきたバイクのウインカー。
これも25年位前のだけど。^^;・・・・・。
ここから中身を取り出して流用。
バネなんかとてもきれい。 さすが日本製 メッキが違うよ。 ほんとか?
割れた樹脂のふたはぴったりサイズのワッシャーで代用。
ノーマルはここは樹脂じゃないといけないけどこれは平気な仕組みにしてある。
表から見るとこんな感じ。誰が見ても違和感無し。
筒抜けの構造だった分アース側の磨きもらくらく。〜
とこうやって本来は交換しなきゃいけない部品延命させるんだよな。
しかも普通だったら交換した中身の部品がその辺に無いから時間がかかる。
うちはそういうごみも取っとくから散らかってる。
といいわけしておこう〜っと。

でも、今回の作業はめったに無いパターン。
スモール系統 ひとつもつかないのにそれぞれがすべて原因を持っていた。
こんな故障の仕方は普通はおきない。

実はこの車はエンジンも永い間不調で今回やっと復活するんでその前の各部点検で電装故障の発見。
どうやら配線周りきちんとやり直さないといけなそう。
だってイグニッションコイルに来てる電圧が11V強になっちゃうときがあった。
点火の1次電圧が1V下がると2次電圧(点火の火花)は10000Vくらい下がっちゃうわけでアイドリングできない理由のひとつだった。
配線ももちろん電圧降下の原因だけど、実はイグニッションキーを通るだけでこれまた何ボルトか落ちちゃう。
しかもテスターで計っても数値として出てこなかったりする。
負荷がかかって初めて接点の容量が足りなくなり抵抗になるときがある。
だからテスターで計ると抵抗値は1Ω以下なのに電圧が下がっちゃう。
抵抗はオームの法則、複合抵抗、どっかのアースが悪くて知らないうちに複合抵抗にあってたり、もう想像もつかない状態になってるから訳がわからない。へたすりゃプラスが12Vきててマイナスには3V来てたりしてテスター壊れたか? っていうこともある。^^;
こうなるとノーマルのアースなんかも信用できなくなってきて普通にあちこちバイパス線引かれちゃう。

そうなると回路はもっと複雑になって収集がつかなくなる。

場当たり的な対処修理は原因をつぶしてないんで絶対にまた不具合がおきる。
やっぱり一つ一つつぶさなきゃいけないんだよな〜。
今回のスモール系統全滅はどこかが引き金になって他のところの接触やら配線やらにトラブルを併発して行ったんじゃないだろうか。
はじめに場当たりでなくきちんと一個直しておけばよかったんだな〜 と勉強になりました。

でもこの車将来的には配線きちんとしなくっちゃいけなくなるんだろうな〜。・・・・・・・・・。


実はエンジンの不調もキャブ、点火系、電圧、デスビ、変な改造、燃料系送り悪い、燃料ポンプが吸えない。どれもがそれぞれ問題抱えててどれもこれもやった。
そう。 不調の原因は1個じゃなくどれもこれも賞味期限切れてる。こういうことだったんです。
キャブなんか前後で違うものついてたし、ジェットもそれぞれが違うものにかえてあった。
この時点でおかしいよね。

おっと燃料ポンプの供給電圧見直しとか無くっちゃな。


 



 折れたネジの抜き方  2009年 1月 14 日



折れたネジの抜き方 なんてたいそうなこと書いてるけど、いつも面倒くさい作業。
古い車やってると必ずネジ折れはついて回る。
これが定石 って方法はいくつかあるんだけどそのうちのひとつを。
 
今回はプジョー306のタイミングベルトテンショナーのボルトがはなから折れ込んでたんで抜いてみた。
観察すると破断面から締め込み時にトルクをかけすぎて伸びて折れた ということが想像つく。
 
とりあえず真ん中にポンチ打ってドリルで軽くもんでみた。
締め込みでねじ切れたボルトは比較的抜きやすい。
というのもボルトはしまりきってるのにまだそれ以上のトルクをかけたからボルトの首から切れた って言うパターンでしょ?
ネジは締めていくと首の部分がぴったりあたってそこの摩擦若しくはネジの伸び で固定されている。
ネジに実際にかかっている力はネジの上から3巻き分くらいしかかかってない。
ここらへんの性質から考えて締め込み時にねじ切ったボルトは比較的抜きやすいの。

だから上の写真見るとネジ山の1山目から切れてるでしょ?
この下の3巻きくらいががんばってる。
 
しかしこのエンジンさびも出てるから難航するかな。
このへこみを足がかりにして穴を広げていく。
最後のカードはすべてをドリルでもみ取るって方法なんだけどそれは最後まで使わないことを祈る。・・・・・・。

いい感じに穴が開いたでしょ。^^v
そしたらここにエキストラクターとかって言う10回中 9.8回は抜けない特殊工具を打ち込む。
この工具は逆タップと同じくらいネジ抜けないね。^^;
しかも硬いから万一折れるとドリルの歯が立たない。
なので慎重にね。
 
で、エキストラクターにアダプターをつけてレンチで回すんだけどこのまままわすと100発100中で取れない。^^; うははは。
どうせ外人が考えたんだろうし。
 取れた人は神様とあがめてあげよう。
 
で、こんなクソ道具使えないからずーっとしまいこんであったんだけど悔しいからこれを使って何とか抜いてやる。
道具は使う人の工夫で使えるか使えないかが決まる。馬鹿とハサミは使いよう。 っていうでしょ?
むかしよく親方に言われてたし。 
 
そしたら写真はないんだけどエキストラクターを緩む方向にトルクをかけておいてエクストラクターを叩き込む方向にハンマーでたたき続けるのよ。
ここで重要なのはリズミカルにってこと。
大体 ♪=100くらいで。
 
うそ。^^  辞書に四分音符入ってないや。
 
これで気長にやる。
気長にって言っても半日もやってたら馬鹿だし。
もちろん油差したりあぶったりの工夫を忘れずに。
たたいたりまわしたりは緩急をつけたりして。
 
するとね不思議なことに回ったんですよ。
はじめは30度くらいしか回らなかったんだけど回り始めたらこっちのもの。
今度は 締めたり 緩めたり ラジばんだり をくりかえす。^^
だんだん回る量が増えてくる。
この間よく観察をしながらエキストラクターが空回りしたりねじれたりしてないかとかとにかく観察しながら五感を研ぎ澄まして状況を把握するのよ。
ま、五感のうち2個は使わんけど。^^・・・。
エキストラクターねじったり折ったりするとどうにもできなくなる。
 
そしたらぬけたよん。
今回この工具を使って世界で初めてネジを抜くことに成功した男としてギネスブックに載りました。
 
うそ。^^;・・・・・。

あれ〜 なんか変だ。
まだ残ってるみたい。
もう一回だ。

中で二つに折れちゃってた。
もう一回おんなじ作業。
でもまあ、奥の方はあんまりネジ伸びてないから何とか抜ける。
で、出てきたのはこれ。
 
だれだ馬鹿力でネジ締めるやつは。
は〜 めんどくさかった。
ざまみろ。^^
 
抜いた後はタップ立て直すの忘れずにね。
目ネジも必ず痛んでるから。
 
雌ネジの1山目が少し変形して残ってたからなかなか最後まではなかなかすんなり抜けてこなかった。
これはネジ山の谷部分がのびちゃってピッチが少し変わっちゃってるような感じだから慎重にネジピッチを新しく転造する位のつもりで何度も締めたり緩めたりを繰り返すといい見たい。
 
折れたボルトを抜くにはとにかくコツばっかり。
あせっちゃいけない。
掃除をしっかりする。
錆を落とす。
原因と状況を把握する。
油を吹く。
熱を加える。
衝撃を与える。
中心に穴を開ける。
破断面を平らにする。
ネジ穴に対して穴は平行に開ける。
深さを考えながらあける。
強引にやらない。
手ごたえに細心の注意を。
まわして抜くか、もみ取るか、破壊するかよく考える。
最悪な状況になった場合の対処方法が残っているかどうか考える。
 
この辺に注意だね〜。
 
まあ、場合によっては半日くらいかけてあの手この手を繰り出すからものすごく時間かかる。
時間がかかると工賃かかりすぎちゃうから安い部品だったら交換した方が早いね。
 
ネジ折っちゃったら下手にいじらず持ってきてください。^^
逆タップ折れ込んだやつ抜いてくれっていってもやってあげないよ〜
 
最終手段は実はネジを抜いてくれるプロがいる。
部品を単体にしなくっちゃいけないから出したことないけど、ネジに放電してネジを溶かしちゃうらしい。
結構きれいに取れるみたい。
まあ、そんな人がいるから冒険もできるんだけどね〜。
 
  


  アメリカでの505とN9Tターボエンジン  2008年11月 6 日



今回もざーっと三晩くらい調べたよ。
プジョーは1991年までアメリカ輸出してた。
1991年の8月にアメリカ撤退のアナウンス出してるからこの車は最終。
で、最終型のこのターボエンジンは3モデル目。ターボエンジンの中で3回性能アップがあった。
こいつはN9TエンジンシリーズでN9TEAという分類になるエンジン。
1.1bar(1.126キロ)のブースト圧で180馬力を出してる最強版。

最初はPRV4気筒のでかいほうのエンジンかと思ってたんだけどなんか形が違うな〜とおもってよく見たらまったく違う。
PRV4気筒のでかいのってのはルノー21とかエスパスとか505の2リッターとかに使われてるやつね。
V6だけがPRVじゃないのよ。ちなみにPRV4気筒のちっちゃいのってのもあって、こっちはシトロエンのVISA〜サクソとかプジョー104〜106とかルノーの14に使われてる。
他にもPRVあるよん。
ボルボなんかルノーで使ってないルノーエンジン最近まで載ってたし。
ボルボディーラーでルノーのエンジンだからルノーの部品でなおしたって言ったらまったく意味通じてなかった。^^;
今度三菱の部品で足回りなおしたって言ってみようかな。うはははは。
いまだとサーブとかフォードの部品てのもあるな。

で、プジョーは505の2リッターにはPRV4気筒を使ったのにターボ版(N9T)は別のエンジンをつかった。
調べてもそんなエンジンでてこない。
どっからもってきたんだ????

そしたらありましたよ。
SIMCA TALBOT 〜 クライスラーのライン。
は〜。そりゃ頑丈そうだ。

当時PRV4気筒はオールアルミでできてたので強度的に不安があった。
ルノーは21ターボで使ってるからまあ実際はできるのかもしれないけど、プジョーはターボ化にあたり採用しなかった。
で、当時手中にあったエンジンの中でシムカクライスラーの160、180、2リッターって言う車があるんだけどそのエンジンの2155cc版を使ってターボ化した。

シムカクライスラー160シリーズはクライスラーUKで開発されたモデルで見た目はアメ車。ぜんぜん知らない車だった。
それがこのN9Tエンジンだったんですね〜。
だもんでプジョーのエンジンじゃないジャン。^^;
とはいえ他のプジョーなんかも結局はPRV使ってるんだからプジョーのエンジンじゃないじゃん。
多分プジョーは204でエンジン作るのやめてその後205のエンジンがまたプジョーなんじゃないかな。
だからフランス車って65年くらいから20年くらいどのメーカーもみんな同じエンジン(PRVユニット)使ってる、くらいな感じで意外と使い回しが効いたりして。まあよかったら調べてみて。 エンジン開発ストップしてたのはっきりわかるから。

話は脱線。
で、このN9Tエンジンはレースに参戦するんだけどそれが凄いのよ。
N9T系エンジンは市販3種類。
N9TとインタークーラーつきのN9TEとN9TEA
すぐにプジョースポールがスポーツキットを発売して200馬力。(N9T用)
その後ブースト1.15barで240馬力
最終的にはいろんなとこに手を入れてブースト圧1.9barで540馬力だしてたんだって。 強いエンジンだな〜。
日産のFJ20並。

で、このエンジンはシトロエンBXのラリー車 BX 4TCに2134cc(排気量クラスの関係でね。)積まれてたんだと。
当時のプジョーモータースポーツ直系のエンジンだったんですね。 クライスラーパワーおそるべし。

NA仕様はフォーミュラ2でも使ってたんだって〜。
よく調べる人がいるよ。でもこの資料は英語だったから意味わかってよかった〜 うひひ。
やっぱアメリカ輸出されてたからだよね〜。

じゃあ実際にアメリカ輸出はどんなだったのかっていうと 505は1980年にアメリカで発売されて1991年撤退。11年間輸出されてたらしい。
アメリカで外車初のイエローキャブに採用。 メイン州ではパトカーにも採用。
でもディーゼル車がアメリカではだめなのとガソリン車は排ガスの関係で結局駄目になったみたい。
ヨーロッパ車は排ガス規制遅かったからね。

しかしプジョー最後のFR車。(といって怒られないと思うけど)
これがまた意外と面白いのよ。
ヨーロッパってFRの車ほとんどないでしょ?
だからね〜 ドリフトが世界中ではやってる今 なんとこの辺の車で走ってる人たちがいるのよ。
505ターボとかボルボ240ターボでドリフトとかしてるから。^^。
YouTubeとかみてみて。

うひひひひ。

 




  A110の車検時ポイント  2008年1月23日
 
A110を日本の公道で走らせるのはたくさんの国内法規に合致させてある必要があります。
しかしながら既に走っている車のある程度(多いか少ないかは言わない)は車検に通らないまま初めの車検に通ってしまっています。
継続車検も結構グレーでなおかつ陸時によって解釈の違うところも多々あります。
 
実は原稿を書いたのですがやはり各方面に配慮の上自主規制させていただくことにしました。
難しいので表現に配慮しました。おかしな文章になっています。
 
ありがちなポイントは思いつくだけで10項目以上あります。
そのほかに絶対かけないポイントがあります。
うちのお客様にはどなたにでもすべてお知らせいたします。
もちろん改善されることを強くお勧めします。
うちで車検に通った車はすべてそこを合法にしているから車検に通っています。
 
一部抜粋で問題のなさそうな部分をちょっとだけ公開します。
 
1、フォグ、ドライビングランプ
2、XXXXX
3、XXXXX
4、XXXXX
5、排気ガスの基準
6、XXXXX
7、最低地上高
8、エアクリーナー
9、そのほか。
 
1、まずアルピーヌには標準で4つライトがありますよね。
そのうち内側2灯はドライビングランプのはずです。
これは法律的な解釈は難しいところがあるんだけど、基本的には走行用前照灯として解釈できるところでもあります。
走行用前照灯というのはハイビームのこと。
だから内側のライトはハイビームと連動じゃなくっちゃいけない。ハイビームのときにスイッチONで内側だけ点灯消灯はOKだけどハイビームOFFにした時には全部消えなきゃいけない。  わかるかな?
 
つまり内側2灯の電源はハイビームから取ってなくっちゃいけないの。 ここが注意点。
こいつをフォグだと言い張る人はレンズカットの問題があるわけでそれをクリアした上で今度はスモールランプOn以上でしかつかないようにしてね。
 
で、オプションで取り付けるフォグランプ。
一般的にはバンパーの所につけるでしょ。
これは先述のとおりスモール以上でON。その代わり3灯以上の補助灯同時点灯不可だから真ん中2灯をフォグだと言い張るならスイッチでどちらかしか灯か無いように配線をしなくっちゃいけない。
一番簡単に違反なのはフォグはいつでも着く奴。 スモールON 以上でつくようにしてね。
 
結局一番スマートなのは走行用前照灯として使う。 そうすれば6灯全部同時点灯という豪華トラック野郎仕様も合法にできる。
もちろん光軸ちゃんと調整してね。
 
もう一個抜け道が無いわけでもない。 内側のライトはパッシング専用ということにも出来る。
だとすればいつ灯いてもいいんだけどパッシング意外には使えないからね。 
また他にパッシング専用のライトも取付できる。 そうしたらなんと8個同時点灯も夢じゃない。(瞬間的ね。)
そうしたらあなたも峠の照明さんになれる。 うはっはは。
 
2、XXXXXX
XXXXXXXXXXXXXXXXXXXXX これ以上はいえない。(諸方面に配慮)
 
 
3、XXXXXX
XXXXXXXXXXXXXXXXXX人多いよね。
XXXXXX これ以上はいえない。
大体ついてないほうがおかしいっての。 だってそのせいで事故っても何の得にもならんし。
 
4、XXXXXX
XXXXXX ちゃんとXXしよう。
スーパーセブンの人たちはちゃんとXXついてるXXXXXXを作ってまでつけ始めたよ。
 
5、排気ガスの基準
ウエーバーとかついてるけどアイドルHC特殊とかそういう申請通ってないから普通の車と一緒。
HC1200のCo4.5%まで。
きちんと調整しても調子の良い車はアイドリング時くらいは何とかクリアーする。
クリアーできないのは故障してるかありえないハイカムか調整がダメなだけ。
しっかり調整すればふつ〜に走るし、排ガスも規制値クリアーする。
 
6、XXXXXX
ほぼ全車つけてね。 つけてね。
つけなくてもいい車がたまにある。
 
7、最低地上高
これは本来は9cmを守らなくっちゃいけないんだけど、登録時の数値が物を言う。
車検証と同じ車高で9cmクリアできないなら仕方がない。車検証より車高が低いのにクリアできないのはまずい。
XXXXXXXXXXXX。
 
8、エアクリーナー
これもつけてね。理由はXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXX
ついてなくてもクリアできる方法があるから無いと違法というわけじゃない。
しかもエアクリーナーは火事になるのも防ぐ効果があるのよ。
 
補足で
オバフェンの車。これもXXXXXXが抵触する可能性あり。
ここも改善が必要になるかも。
 
ウオッシャー液。最近は車検場で見るようになった。 出ない車沢山有るよね。
 
XXXXXX。 これもXXになってる奴は要注意。
ノーマルが正常に作動することが前提。 ノーマルが正常にXXないからXXをつけるってパターンが多いと思います。
ノーマルはノーマルの機構がきちんと作動していればきちんと車検の基準をクリアできます。
 
とまあ、そんなわけでみてのとおりほぼグレーです。
目立つところ十分注意してね。
では楽しいA110ライフを。 って心配だな〜。^^;
 
 



  A110クラッチ切れない 追跡リポート。2 全何回・・・。?  2007年7月3日
 
さーて 部品を頼んでる間他のとこも見とかなきゃね。
追加するなら早くしないといけないし。
本国ではディエップでアルピーヌのお祭りやってるから部品屋はいないだろうし。・・・・。(あ、この原稿は6月の25日ごろ書いてます。)
 
 
で、ベルハウジングの観察ね。
 
きったねーな〜 オイルがどっかから漏れてる。
 
お、まてよなんかおかしい。
写真真ん中のネジ スプリングワッシャー浮いてない?
やっぱね〜  なめてる。その右のボルトも緩々。
 
ちょんぼみ〜っけ。
しかもベンガラ色のシールがついてるから日本でやったミッションだな。
だれだ〜この仕事。
 
ベルハウジングはずしてみると あれ〜 なんだよこれインチキの塊。
 
メンドラシール 打ち込み失敗跡。
左がなめてた穴 
あれ?!  上の写真と1枚目の写真見比べてみて。おかしくない?
 
右の穴こんなにでかいのにM8のボルトが刺さってた。
どゆこと? 東洋人は器用だな。 20mmくらい有る穴に8mmのボルト止められるんだから。 
もうオリエンタルマジック。
 
 
てことは下側の2本はまったくテンションのかかってないボルトだったってこと。
オイルは下に溜まるのに下側が全く押さえられてない。
しかもメンドラシールはちゃんと入ってない。
そりゃ〜オイルも漏れるよね。
しかも! ベンガラ色よりグレーのほうがミッションオイルに強い ってのも前に調べたじゃん。
漏れない理由が無い。
 
おいおいお〜い。 
ちゃんと作業しましょう。^^;
 
 
でもクラッチが重い理由 はこれじゃあないよね。
 
次回に続く。
 
 


  A110クラッチ切れない 追跡リポート。1 全何回・・・。?  2007年6月29日
お〜 よくここがわかりましたね。後からつけたして入り口も目立たないはずなのに。
そう真剣におっかけてこなくっても。 たかが戯言ですから。^^
 
こないだちょっと触れましたが、A110の1600の修理が継続ですすんでます。
今は部品の手配でストップ中です。
 
でも分解していくにつれて色々わかってきました。
 
トピではワイヤーのアウターの支持ブラケットがクラックで剛性を保てていない というのが車載状態でわかっていて何とかしようということでしたが、実はクラッチが重い&切れにくい症状はもう2年も前から発生していました。
ここはミッションを下ろさないと目視すら出来ないところ。鏡を使ってやっと見えるか見えないかって感じ。
 
でもそのころはエンジンミッションを下ろすところまではせずに何とかしよう ということで実はマスターシリンダーストッパーなんてのがはやりましたが、それと同様なツッパリ君を作って取り付けてありました。
クラッチは重いけど走行にはとりあえず支障ない程度にはしてありました。
 
でもそのツッパリ君が用を成さないほどクラックが発展してきたようで、今回ミッションを下ろすということになりました。
 
 
せっかくミッションを下ろすんだからほかの事もやらなきゃ損みたいな感じで手を出すでしょ。 でも、一番重要なのは今回の重い&切れない。 だからそいつを徹底的にやらないと本末転倒なわけで、とにかくしっかり観察が必要。
普通ならクラッチ組みなおしておしまいってな感じで他の作業に手を出そうと思ってた。
でも今回も危なくだまされるところだった。 あぶね〜。
 
 
まずはそのブラケットの修理と補強から。
 
クラックの入ったブラケットの塗装をはがします。
クラックの全貌が明らかに。
 
マジックで線を書いておきました。  ここまでクラックが発展しています。
クラックの先端をドリルで貫通させて新たなクラックの発展を止めます。
そのまま溶接すると、一発で裏まで届かないからクラックの先端が残っちゃう場合があるから。 
応力止めとかまじないみたいなモンです。
この角度からだと良く見える。
溶接してやる。
溶接苦手なんだよな〜。
 
とおもったら MIG溶接機のガスが途中でなくなってた。
道理でおかしいとは思ったんだけど。  いいわけいいわけ。
 
 
見た目が汚いけど、この後もうちょっと手直しはしたよん。^^;
 
 
やっぱり溶接は ”段取り7割 仕事3割” とはよく言ったもんで、ちょっと溶接面をいい条件に仕切れなかったみたい。 塗膜落としと脱脂が少なくともたりなかったのかもね。
 
 
強度はバッチリでました。 そうだな 象が踏んでも壊れないくらい。 ^^ ぱお〜ん
 
 
でもね、これはクラッチ切れないのとは関係が有るけどクラッチ重いってのはどうも合点がいかないんでなんでだろな〜って考えてたんですよ。
仕方ないからミッション掃除したりして。
 
そしたらさあ、

レリーズホーク減ってる。
 
しかも結構減ってる。 古いから減ってても当然だけど、この段付きはいただけないな。
しかもかまぼこみたいになってなきゃいけないんだけど、かど も出来ちゃてる。

レリーズベアリング側 
減ってるのはわかるけど、へこんでる。
何かがおかしい何かが。・・・・。
 
 
とりあえずクラッチ3点は最低交換となりました。
写真は無いけどカバーも当然段付き磨耗。
で、部品待ち。
 
レリーズホークは削ってスムーズにしてやる。
削れた分寸法が変わるから組むときに工夫が必要だな。
クラッチの寸法は意外と厳密だよ。
 
 
でもさ、なんであんな鉄板がクラック入るんだろうっておもうじゃない?
ゼッタイ何かある。 絶対。
 
そして次回驚愕の事実が!! 
続報を待て。^^
 
 
1:38
 
ぴっ ぽっ ぴっ ぽっ  
 
って古。 あ、24だよ・・・・。
 



  Twingo イージー  2007年6月16日

で、こいつをクラッチ付きにするんだけど、実際の作業はというと簡単といえば簡単。面倒といえば面倒。(社内営業ね。^^)
 
まずペダルを交換&増設。
ブレーキペダルを交換か改造する。 要はでっかいのと位置の問題をどうにかしてやればいい。
左がノーマルで右がパック用
 
 
そのあとクラッチペダルを増設する。
これがなぜかルノージャポンに在庫があるんだな〜 うひひ。
 
左ははずしたブレーキペダル 右が新規につけるクラッチペダル。
 
こいつがまたなぜかご丁寧に細かい部品までセットの品番になってるんだよね〜 うひひ。
他に必要なのがカラーとボルトだったかな。?
いつも頼むのを忘れる。^^;
部品も年式で種類があるみたい。
 
 
こいつを取り付ければ、今度はエンジンルーム。
 
ちょっと見づらい写真だけど、黄色いブックエンドみたいなの左側にある丸い球
(アキュムレーター)ほかオイルタンクとかその辺のモンをASSYでごっそりはずす。
 
そうするとがらんどうになるんでそこにクラッチワイヤーを取り付けてクラッチペダルにくっつける。
これでハード面はおしまい。
 
でもこれだとコンピューターがイージーシステムの以上を感知してエンジンがかからなくなるから配線を短絡して正常だと思い込ませる。そういう小細工をいくつかチョコチョコッとしてやって条件を整えてやる。
 
こいつをしないとどうなるか。
コンピューターはイージーシステムを読みに行って異常が有るとエンジンをかからないようにインタラプトするから読みに行く前にすぐセルを回せばエンジンはかかるんだけど、警告音が出たり、何かと変なことになる。
こんなことでソフト面を解決。
 
 
作業自体は簡単なんだけど細かい調整とか、加工とかがきちんと出来てないとちゃんとした車にならない。だから意外と気を使うし面倒くさいところもある。そこら辺をやってヒューマンインターフェース部分を解決。
 
と3段階の作業になるんですね。
 
 
まあ、すすんでお勧めしないけどまあ アリ な改造ではあるかなあ。
 
ちなみにこの改造は部品代が2万〜3万くらいで出来ちゃう。
しかも気になる改造の公認は必要なし。
せっかく陸事に届けてやろうと思ったんだけど、構造変更にならないんだってさ。
な〜んだつまんね〜の。
てことは違法改造でもなんでもないって事。
 
でも運転免許はAT限定はだめよ。^^
ちゃんと限定解除してね〜。




  カングーのリアハッチドア  2006年12月19日

あの重いバックドアをあの小さなヒンジの溶接面積でどうやって薄いボディーの鉄板が耐えて支えているんだろう。
というのを調べてみます。
 
 
 
 
断面写真がこれです。
左側の柱。
この鉄板右に行くにつれて厚くなってる。
すげ〜〜〜。
左端は薄いのに、右端はこんなに厚い。
すごいですね。こうなってたんだ〜。
 
しかも ここはBOX形状になってるから本当に強い柱になってて、
なおかつ一部は2重になってるからかなり強い。
片手ハンマーでたたいたくらいじゃびくともしないくらい硬く厚い鉄板。
そのくらいの厚さで、さらに強度を増すためにプレスが入ってる。そりゃ硬いよ。
 
しかし、なんで1枚の板で厚さが違う鉄板を使ったのかな。
厚い一枚の板じゃ駄目なのかな。
 
で、想像なんですけど、 後の かどっこ ぶつけるとするでしょ。
そしたらはじまで分厚いと板金できない。
引っ張り出せないもん。だから引っ張り、つぶれ代がとってある。
あとは薄い部分がぐしゃぐしゃとつぶれながら柱の垂直は中々曲がらない。
だからぶつかったままの車を乗り回す国の人たちは、へこんでてもドアが開けばいいわけだから、柱が垂直になってればいい。ッてこともあるのかな。
ま、もちろん薄い鉄板じゃ持たないから必要なところだけ厚くしたよ。とか、コストや軽さもあるしね。
 
本当のところは闇の中です。
 
ま、とにかく普通のボディーの鉄板は人間が乗っかっちゃえば余裕でへこむでしょ。
でもこの部分だけはそのくらいの力じゃなんともない位の厚さの鉄板が使われている ということでした。
 
てことはここが曲がるくらいの事故やっちゃったときは並大抵の力じゃ元に戻らない上に油圧で引っ張ると薄い部分がちぎれちゃうからこの部分の板を交換するような修理になるってこと。
中途半端な修理だとドアのたてつけは絶対うまく行かないから中古車選びの参考にしてね。
 
もしドアの立て付けがなんか悪い車があったら
ドアのヒンジ部分をみて、ヒンジに異常や磨耗がなければ、ボディーが曲がってるってことになるよね。
ここは間違いなくフレーム扱いだから事故車といわれてもおかしくない車 ということになるはずなんだよね〜。
 
 
あー 鼻の中が鉄粉くさい。・・・。
 


  間違いだらけの足回り。  2006年9月24日

こっからは ぼやき です。
話が脱線しちゃったんで、コラムにもって来ました。
まあ、そのうちいい素材が入ったら写真つきで解説しますよ。
変に話が脱線した続きだから書き出しが変。
 
 
それから、ショックアブソーバー。有名どころのキット物でも 車高ダウンには対応してません。ザックスはもちろんビルもコニもみーんな車高下げるならいいとこ2センチくらいが限界。調べてみるとどれもほとんどがノーマル車高に対応してる設計。
 
車高下げられないじゃん。
ぜーんぶの代理店に聞いたけど誰に聞いても理解してなかった。代理店だと仕方ないのかな。
 
色々聞いてたら、あるところでは「逆にそういう設計をする必要性が感じられません。」っていわれちゃった。
逆切れかよ って思ったんだけど、実際すべての車に不具合あるんだからお前がおかしいんだよっ!そんな商売してるとつぶれるぞ!て言おうと思ったの。でもいくら電話で説明しても埒が明かないと思ったんでほっとくことにしました。だって車高ダウン3Cmまで対応とか歌ってて、残りのストロークいくつ出ますかって聞いたら数値はわからないし、実際計ってみると2Cmきっちゃってるんだよ。 そんなのありえます?
 
かわいそうなのはエンドユーザー。キットをそのままつけると全部動いてない足。それもこれも某社と某社のダウンサスがいけないんだけどね。^^又これを元に寸法取りしてるメーカーがあるから余計にたちが悪い。
とにかくつけるだけじゃショックが生かせない。ショップ依頼してつけるだけでほとんど考えてくれてない。
 
あ、そうそう いつだか走行会で見た某ショップのレーシングカーはその辺工夫してあってさすが〜 と思ったことはあったな。 てかそうしないとそれらのショックは使えないし。さすがです。尊敬。きっとそのお店のお客さんはしあわせだな。 みつけたらうれしくなっちゃって、うちの従業員呼んで 「ほら見ろ さすがだよ。 ちゃんと工夫して使いこなしてある 云々」 てこそこそ話してたらショップの方に変な目で見られちゃった。
 
こないだプジョー206のお客さんが足回り組みたいってきたんで、社外の足回りのラインナップ調べたの。
そしたらバネとセットで出てるところは1社だけ。車高とストロークの関係もちゃんとしてた。
他はバネとショックが別のメーカー = 別開発。
 
てことは車高がダウンすればいいバネメーカーと、指定のバネ無しで開発したショックメーカーが作ったものがつじつま合う分けないの。
なのにお勧めキットとして売ってるのっておかしくない?
そういうところって減衰力の数値も持ってなかったりするんです。
これ組んでおしまいって車が95パーセントくらいなんだろうなー。
ある問屋さんにきいたら 定番教えてくれました、どこのバネとどこのショックの組み合わせが定番 って。 それってこういうことおきないですか? きいたら 実はそうなんですよ。その組あわせは使い物になりません。だって。(そこの社長はレースで走っててセッティング能力もピカイチとの定評)
なのに売ってる。うあ〜 定番ですよ 定番。ほとんどの人がこれ組んでる。 かわいそうに。・・・。
車高の設定だけでこれですよ。減衰とバネのマッチングまで考えたら絶対無理。
 
思いついたのが次の結論。
 
改造部品は使うほうが工夫と理解を求められる。
あくまでも販売側は部品だけを売ってる。部品のパフォーマンスを売ってるんじゃなく、ただの部品を売ってる。
それを生かすも殺すも使う側次第。てことはそれは取り付けの段階ですべてが決まる。
そうだよなー だから外国の部品て取り寄せてもそのままつかないことが多いんだよなー。
これって単に精度が悪いだけじゃなかったんだ。
大体改造が事実上禁止になってるドイツの部品を改造に使うほうがおかしいんだよな って反省。
逆切れの代理店がつぶれないのも、使ってるみんながおかしいって思わないからなんだよね。そこまで市場が熟成していない。ってことなんだよね。
 
あ、だからメーカーのスポール系って指定値がしっかりしてるんだ。
でもこいつはほんとのレース用なんだよな〜。
あーそうだ、だから某社のショックはオイル漏れしやすいとか言われてるや。底付きしてる状態じゃオイル漏れるの当然だ。だって車高下げて使うようにできてないんだもん。
あー 何から何までつじつまあってきた。
 
でもみんなうすうす気がついてると思うんだけどな〜。
ま、いいか。うちはがんばろ。相談してくれればちゃんとやりますからね。 いえい。
 
 
 
 
 




  オーバーヒートとエアコンを謎解く。〜熱対策へ  2006年9月5日

 
まあ、そんなわけで何やったかなんですけど、まず輸入車のエアコンの傾向を確認しましょう。
 
1、アイドリング時のエアコンの効きは念頭においていない。
2、本国社外、日本後付、純正、純正社外、純正後付 などに大別されます。
このへんで誰が何を考えながらつけたのかよーく考えなければこの後のアプローチがまったく違ってきますね。
3、もともとのカロリーや風量がまったく足りない。
 
などです。
 
確認しなくっちゃいけない問題点を整理すると、
 
前オーナーがどんな熱対策をやったのか、誰がやったのか、その考えの根拠と効果は。
エアコンは誰が何をどうやってつけたのか。その完成度と実用性は。
何が原因で水温上昇が起こり、それを下げることができないのか。
 
この辺をよーく考えないと何やりたいんだかわかんなくなっちゃいます。
 
このエスパスはどうやら純正のエアコンでは有るようなんですが、後付されたエアコンのようです。
どうやら取り付けをした工場の名前らしきステッカーがはってありました。
ということはキットをとりあえず動くように取り付けただけ という疑いがあります。
 
だとしたらいろんなところのつじつまは合っていないはずなので、その辺を拾って行けば結構いい線いけそうです。
 
まずは観察ね。
 
前から ファン、コンデンサー、ラジエター の順番についています。こいつはつらい。
 
 
エアコンのコンデンサーがラジエターより一回り小さく、ファンはラジエターよりも少し大きい。
ってことは純正のラジエターとファン(押し込み式)の間にエアコンのコンデンサーを入れたということのようです。
押し込み式のファンは吸い込みのものに比べると効率が悪いのは周知の事実です。
コンデンサーはラジエターより小さいからコンデンサーの横に風が回ってしまってコンデンサーもラジエターも冷やせなくなっています。
 
それが証拠に ラジエターを通り抜けてくる風はラジエターのすぐ後でもほとんど感じません。
 
実験してみるとこんな感じ。
 
本来ならコンデンサーとラジエターを突き抜けてエンジンルームに噴出さなくっちゃいけない風がこんなところから逃げちゃってます。
 
 
コンデンサーとラジエターはこんなにサイズが違う上に、ファンもコンデンサーよりかなりデカイし、何より隙間がこんなに空いちゃってる。
つじつま あってない。
 
 
しかもラジエターをよく観察すると溶接痕を確認できます。
これだったんですね 前オーナーの熱対策というのは。
どうやらラジエターのコア増しをやったようですね。
 
 
これは走行中は多少効果はあると思うんですがファンの風が逃げちゃってるくらいなんで、逆効果。 余計に風のとおりがコア増しをしたことによって余計に悪くなっちゃってるんで逆効果なんですよね。
 
だからせっかく放熱量は増えたのに風が通らないから余計に冷えない という状態を作ってるんですね。
悪名高いサンクのGT-Tもコンデンサーとラジエターを冷やせないからエアコンが効かない。これと一緒です。
このエスパスもラジエター裏で風を感じないんです。
これじゃあ冷えるはずがありません。
 
 
 
というわけで、対策します。
 
まずは風の回り込みを止めてやります。
ファンの風の逃げ道を全部目張りして 風の逃げ場をなくしてやって、風がラジエターまで抜けていくようにしてやります。
 
目張りしたんだけど写真取るの忘れちゃったんで、そのうち。
 
簡単そうに聞こえますけどバンパーはずして、ファンAssyはずしての大仕事です。
 
そんなこんなでとりあえず完成。 肝心の風はラジエター裏で ああ、なんとか抜けてきてるね。 見たいな感じです。 ちょっと弱いなー。 でもこの状態で 水温の上昇、 ファンが回り始めてからの水温計のハリの動き、冷房の効き具合に変化が見られました。  走行時だったら多分問題おきないでしょう。
でもまだ不満だな〜
 
本来なら吸い込みファンにしてやることでもっと効率を上げることができるんですけど、ラジエターとエンジンとの間にスペースがほとんどありません。エンジンルームにファンをつけるのは不可能。
 
ファンは2段階で動くようになっています。
エアコンON で無条件にファンは Low で回ります。水温スイッチで水温がある程度のところにくると ファンがHi に切り替わります。こいつをどんな条件時でもHiで回るように回路を作り直す という方法もありますけど、渋滞時にファンがHiでぶんぶん回ってるとうるさくってあんまりすきじゃないんで、こいつは最後の手段に取っておいて、もう一個吸い込みファンを何とかつけるだけでもいけないか考えてみます。
 
その結果がこれ。
 
よくこんなところに入ったなこのファン。
 
結論から行くと、ほんとにわずかの隙間に 小さな吸い込みファンをつけられました。
これもステーの寸法合わせるのにかなりの時間を要して何とかぎりぎり納めることができました。
こいつの回路はエアコンのファン信号から新設のリレーを介して別回路で常に回ります。
 
 
で、気になる結論は。
 
まずエンジンルームに風が流れ始めました。
それも風に手を当てて置けないくらい暑い空気の流れ。
 
かなり吸い込んでるみたいです。
直径は20センチくらいの日本製のファンなんですが、もともとラジエター用のファンなんで結構な風量があり耐久性もありそうな奴です。残念なことにシュラウドがないんでちょっと効率は低めなんですが、かなり押し込みファンの補助はしてくれています。 しかも水の入り口側に運良くつけることができたので期待できます。
 
水温の上昇がかなり遅くなりました。
いままでの水温の上がり方とは明らかに違います。
しかも水温SWでHi に切り替わる回数が多分3〜4割減りました。
Hiに切り替わってまたLowに戻るまでの時間もだいぶ短くなりました。
 
これはどういうことかというと、っ水温があがってから ファンがHiで回り始めて 水温を下げるのが追いつかない という状況から遠くなったということ、つまり冷却に余裕が出た。 コア増しラジエターを初めて生かすことができた。ということに他なりません。
 
これで35度エアコン全開2時間耐久テストにも耐えられるようになりました。
車内もだいぶ涼しいです。 夜は寒くて風量最弱でも寒いくらいです。
日本車は室内のブロアファンがONのときじゃないとエアコンはONにならないようになっていますが、何故かフランス車はエアコンON時はブロアファンが自動で最弱で回るようにできています。逆ですね。 だから寒くなってもエアコンだけを消すことができない。 なんだよこれ って感じです。 
もちろん温度調節でぬるくしてやればいいんですけどね。
 
いま、暫定で付加したファンですが もっといいファンが見つかったらそれを使ってやろうと思っています。
 
こんな感じで何とかエアコンを含めた熱対策がいい線まで行きました。
もう少し何とかできると良いんですが、作業で2日かかってるし、手持ちの部品でやる限界まで来てるんで、この辺だったら私の、 外車なんで仕方ないか  というレベルまできたかな って感じです。
 
まあ、納車前にはもう少し煮詰めますけど、これでしばらく様子見だな。
それより、エスパス便利だし、乗り心地いいし、見晴らしもいいし、乗ってて満足だもんな〜 るんるん。^^
あ、この車の魅力はそのうちね。
 




  サルとはちがうバッテリー交換。  2006年7月20日


バッテリー交換は先述のとおり うちではサルでもできる整備の一つです。
でもねサルとは違うんでもうちょっと掘り下げちゃいますよー。
 
バッテリー回り、セルモーター回りの故障でお客さんが来た時 うちで一番最初に聞くのは
「 誰がバッテリー交換しました ? 」 です。
「 何時交換しました? 」 はその後ね。
 
意外でしょ?
 
その理由は バッテリー交換は 落とし穴が多いから。
基礎から行きます。
 
電気は本によると金属の中を流れるんではなくて、表面を流れるんですね。
てことは金属同士がちゃんと接触してないと、くっついていても電気が流れないことがある。
ということです。 つまり接触しあう金属面同士は きれいであること が重要なんですね。
もちろん接触面積の大きさ ってのもとても重要です。
 
バッテリーの電極(ターミナル)って交換した事のある人はわかるけどほとんどがテーパーの棒になってますよね。
端子を差し込んで締め付けて交換完了! なーんてのはサルの仕事です。
端子をはずすと、端子は今まで締めつけられていた金属ですから当然縮んじゃってますよね。
要はターミナルの径より端子の径はほーんの少しだけ太いかな?って言うくらい。
 
ここが第一の落とし穴。
接触面は金属同士が密着していることが重要なんですよ。
だけど、ノーマルより縮んじゃた端子をそのままはめてもしっかりはまらないでしょ。?
だから端子を一回広げてから入れてやらないと奥まで(根元まで)ちゃんと入らない。
と本来は幅2cm弱くらいの接触面が1cmくらいしか触れていない。なーんてことが起こるんですよ。
それでもエンジンはかかるから OK 交換終了! ってやっぱ駄目。
 
本来なら触れているはずの部分はほんのすこーしだけ電極と隙間が空いてるってことに注目。
ここにね、湿気とか埃とかが溜まったりして目に見えないくらいの放電が起きてると思うんですよ。
それが今度は金属の表面に酸化皮膜(要は一種のさび)ができたりして電気が流れたり流れなかったりするんですよ。 この酸化皮膜が正常な部分まで広がっちゃうと接触不良がおきるんですね。
だから接触面はきれいにしてとにかく密着させる。空気が入らないくらい。
そうすれば接触面積は保てますよね。
 
それを守らないとこうなります。
 
すげー よくここまで錆びたな って感じ。
 
だからこんな工具を使ってきれーにしてから組み付けます。
 
まず車体の端子側から。ルノー系ですね。この端子は。
鉛だから きれいに一皮むけます。
むきおわったのはこんな感じ。
光ってる。
こいつをしっかりと押し込んで、場合によっては軽く叩き込んで電極を密着させます。
そうすればOK。
 
たったこれだけ。 でもこれがみんなできてないんだよなー。 だから
 
「 誰がバッテリー交換しました ? 」 
 
なんですよ。そこから始まり。
ひどいのだと バッテリー電圧計ると12ボルトある。
だけどセルが回らないときがある。
充電系か? なんて思うけど十分発電してる。
ためしに接点はずして見ると ありゃー やってくれてるよ。 なんてことが何度もあります。
 
サーブだったなーたしか。
バッテリー交換したんだけど、セルが回らないときがあるって。
つないでかけてもらうと調子よく走るんだけど、切ると又かからない。
 
端子はずしてみたら錆び錆なんですよ。
つなぐときは端子の外側につなぐでしょ。
だからエンジンかかっちゃう。
電圧を計るときは バッテリーのターミナルで計るでしょ。 だから十分電圧上がってる。
でもターミナルと端子の間は実は電気が流れてないの。
だからどこ行っても解らないでたらいまわし。^^;
行くたんびにつないでもらって、ちゃんと見ないとわかりませんねー なんていわれて。
セルモーター交換かイグニッションスイッチ交換ですよ なんて脅かされて。
うははは〜 大変だそりゃ。
 
あとね、こういう奴もありました。
 
ちゃんとついてる。 きちんとしてる。 でもトラブル抱えてる。 
ディーラー行ったけど解らなかったんだって。
「 誰がバッテリー交換しました ? 」 
 
私です。
 
だって。
早速ターミナルの点検したら。
 
あちゃー これじゃあね。〜
解ります? 接点に緑の絶縁体が挟まっちゃってるの。
これじゃあちゃんと接点が触れないですよね。
だからセルモーター回らない。
ディーラーでコンピューターつないだって何も出ない。
 
こういう簡単なところをしっかり押さえてこそサンデーメカニックです。
奥深いでしょ。^^
プロでも見落とすところですから。
 
 
 
セルモーターを回すとき 瞬間的には200Aくらいの電流が飛び込む という話です。
200A ですよ。! 瞬間的とはいえ、すごいですよ。 電子レンジなんかが8〜15Aくらい。 
家庭用のブレーカーが30とか40とか50アンペアくらいでしょ。アレよりもでかい電流が飛び込む接点なんです。
車は12Vしかないからアンペア数を上げるしか力を出す方法がないんですよ。
 
実際はオームの法則
E=IR  電圧=電流×抵抗
 
これじゃ解りにくいから
 
電圧×電流=電力
だから
 
100V の50Aは 5000W
12Vの200Aは 2400W 
家庭用電子レンジだと100Vの10Aくらいだから 1000W
 
というわけでだいぶ違うんですけど、とんでもない電気です。(電流ね。)
 
だから条件がちょっとでも悪いとエンジンかからなくなっちゃうんですよね。
道理でブースターケーブルが細いとエンジンかからないはずですよね。
 
余談ですけど
ブースターケーブルは最低50Aくらいのものが必要です。
プロは100Aクラスを使ってますよ。
なければ50A 2本がけとかね。
 
細いケーブルで無理するとケーブルが燃えるかセルモーターがぶっ壊れます。
回せないから熱になる。→焼けて壊れる。
 
さあ、みなさん不要な修理代をかける前にちゃんとポイントを抑えてバッテリー交換しましょうね。
修理やサンに カモられちゃいますよ。^^
 
 




  車種で見るフランス車の足回りの変遷、考察。  2006年4月21日

 
こっからは 勝手な想像と知ったかぶりで書きますから鵜呑みにしてよそで話すと恥じかく かもよ。^^
 
60〜70年代ころのフランス車の流れは、戦後の復興から経済発展の流れの中で国民車が必要となり、それが発展してきた流れですよね。この辺は日本と同じです。
 
その中でフランスでは、人も荷物も積める車が必要だったわけですね。(具現化が4ドアハッチですね。)
フランスは所得格差と階級差別の強い国です、国民車というのは所得レベルのそう高くない層が必要だったわけで、そのレベルでは仕事では荷物を運び、他では人を運べる という車が求められたんですね。 この辺が日本とは違いますね。 日本では乗用的貨物車みたいなのはだいぶ後になってからです。
 
で、道の悪かったころ、乗り心地の悪いのは当たり前だったんですよね。でも日本は道が高度成長前からどんどん整備されて、悪いところといいところが混在 しながら進んできたわけですよね。
想像なんですけど、フランスってむかーしから馬車が走るために道が石畳だったりしてたんでしょ。
だから、整備もなんもない。整備したって石畳。 壊れたらまた石入れる。 だからいつまでたっても石畳。早くて小さな入力ばっかりだったんですよね。地層もヨーロッパは古い地層だから地面も硬い。日本は新しくて、しかも河が作った堆積層に人が住んでるからぬかるみがたくさんできる地層ですしね。
 
石畳はローラーブレードやキックボードでは走れないでしょ。タイヤはでかいほうがギャップに強い。
だから2CVもR8も40年前から15インチ。すげー。
石畳は小さなギャップの連続です。洗濯板をビー玉転がしてるみたい。
 
だから昔から小さくて早い入力にこだわってたのかなーって。
このころはサスペンションよりタイヤに頼ってたんでしょうね。
日本は雨降って水溜り。乾いて大穴。 だから日野ルノーって昔リアのホーシングがよく折れてたらしいですよ。 でかいギャップには耐えられなかったんでしょうね。
 
そんなフランス車があるところから変わり始めます。
もちろん他にもあったんでしょうけど。私の中ではAXが始まりのうちのひとつかな。
シトロエンAXは突然変異モデルですよね。 プジョーの104、シトロエンVIZA、ルノーR14の3兄弟のころはまだやわらか〜だったみたいですね。 この中でVISAには乗ったことがあるんですけどまだたよりなーいキャトルみたいな感じを引き継いでいたきびきびした車でした。
でもAXは試金石というかまあ、パイロットモデルなんですよね。
 
きびきびした車が楽しい。わかってたことですよね。でも大量生産のプジョーではできず、少量でもOKなシトロエンブランドなら失敗してもダメージ少ない てな感じでしょうか。 AXの成功があってこの辺から変わるんですね。 それが証拠に205は微妙におとなしい。もちろん車格の違いも有りますけどね。205の1.4はAXよりつまんないですもんね。あわててホモロゲモデルとかいって1.3ラリーとか作ったりして。
でもこの辺でPSAラインは変化があった。
 
ルノーラインはシュペールの登場を待つわけですよね。
縦とシュペール(横)は明らかに違う。 ブルーバードの410と510の違いくらい。
もうまるっきり違いますよね。でもPSAがこれじゃあいつまでもドンブラコな車作ってられないし。・・・。
 
というわけでこの辺の変化はフランス国内の道路事情の変化もあってのことで、石畳が結構アスファルトに置き換わってるってのもあるんですね。パリの南側の開発とか。そんなころなのかな。
 
というわけでフランス車のドンブラコはAX、205、横5から大きく変化したんですね。
そこから以降の車はご存知のとおりです。
でも小さなギャップ=早くて小さな入力にはいまだに眼をつぶるわけには行きません。
だから今度はブッシュに仕事をさせるんです。ブッシュが凝ってますよねフランス車。
こないだのお客さんもちゃんとわかってるからアッパーマウント黙ってても先に注文してくださいって言ってきたし。 乗り心地よくなったんですよねー。 106S16なのに。
 
というわけで、乗り心地のとんでもなくいいフランス車ってのは縦サンクやR4や2CVやビザや104にのってみなくっちゃわからないんですよね。ほんとは。それがみんなの耳にするフランス車の足です。
その後の205、AX 横サンク 以降は近代フランス車なんですよ。 だから205からでしょ 猫足 とか言われるようになったのって。この辺からでしょホットハッチって言われるようになったのって。足がかっちりしてないとホットハッチ足り得ないですもんね。
 
やっぱり前世代のフランス車、一度は乗ってみると良いですよ。高速道路で抜かれてもなーんとも思わなくなりますよ。^^;
でもお勧めできるほどいい車が残っていないのも事実で、今回このGTLに乗ったことで私も考えがリロードされたという感じです。
 
 
この前世代のフランス車ほとんどの車が虐げられていて、かわいそうです。どれも20年以上たってるのにたいした手も入れていない。20年は車にとっての節目です。ちゃんと整備しないとタダのパタグレ乗ってるのと一緒ですよ。^^
 
いい雰囲気ですよね。前世代の集大成 縦サンク
内装もきれいだし色々ついてるけどオーナーの気持ちが伝わって来るんだよなー。
あ〜長くなったな。
しかもフランスとネットで打ち合わせしながら書いたから文章意味不明だし・・・。
 
もう一個トピックスから見えないようにコラムにこの続きこっそりあげよーっと。
 
じゃあまた。
 
 
 
  HIDやってます (ないしょでテスト開始〜)2 うんちくへん。  2006年4月2日
 
 
正直言って余りHIDってって好きじゃないんですよ。
 
別名はキセノンとかディスチャージと呼ばれています。
 
原理はその名のとおり放電系のランプで球の中の金属原子の高圧蒸気にアーク放電が起きることで発光します。
なんのこっちゃ。
 
最近では純正標準装着の車が増え一般的になって来ましたが、これまでは高価でお大臣なシステムでした。
今日では価格もだいぶこなれてきてなおかつH4タイプ(1個の球でハイロー切り替えするタイプ)なんかのトラブルが多かった奴も信頼性が増してきたので、そろそろ自身を持ってご紹介かな〜なんて思ってます。(遅いって。^^)
 
昔コンピューター関係の仕事をやってた私としては新しいものには飛びつかない という鉄則があるのでいままではこっそりとご要望にこたえてきていました。
だってさ、XPもMEも2000も98だって出たてのときはトラブル続きだったし、漢字Talk7とかPowerPCとかほんと苦労してきましたからね。 おお、漢字Talk7だっけ 別名 おにぎり だって。 糸井さんぽい。
 
脱線脱線。
 
で、何で嫌いかって言うと ミーハー系 だったから。^^; うそ。
まず、勘違いですが、HIDの球=バルブ=バーナー には種類があり、消費電力は同じなのに、明るさが違う。実際は明るさが違うんじゃなくて色が違う。このへんがだまされるところ。 色の違いは色温度というので表します。
 
通常は4500K  (K=ケルビン)なんてのが当初の純正採用の色温度でした。 まあ、結構青白色い。
ハロゲンランプが白色電球だったとしたら4500とかは青白い感じ。
それがいまじゃ6000だ10000だ なんて話になってます。
いわゆる青白いのは6000くらいの奴が多いかな。
 
ここで勘違い@
ケルビン(色温度)が上がればあがるほど青白くなっていきます。
10000Kとかとんでもなく明るく見える。 
でも実は明るく見えるような気がするだけ。ホントは色温度が高いほうが明るさが暗くなって人間の目には視認性が落ちるんです。 コントラストがはっきりしなくなってくる。
雨の夜とか是非黄色いフォグランプをつけたくなってくる。 そのくらい見にくくなります。
 
勘違いA
明るいけど電気を食わない。バルブの寿命も長いし、構造が単純だから故障が少ない。発熱が少ない。
この辺もどうかな〜 
実はHIDシステムは意外とトラブルが多いです。ここら辺がうちが今まで積極的にお勧めしてきてない理由。
その原因のほとんどが製品クオリティーの低さと取り付けのいい加減さ。
基本的に純正のタイプはトラブルが意外と少ないです。バーナーの寿命で交換=高価 位かな。
だから必然的にうちに来る車はほとんどが後付タイプ。
 
いままで見てきた車はどこでだれがつけたんだか ま〜いい加減でね。 配線がのた打ち回ってたり、バラスト=安定器が固定されていなかったり、アース、電源が確実じゃなかったりとホントいい加減なのが多くて。
製品クオリティーは後付なだけに低くてね。 まずは防水性。 これはシステムがどうしても高電圧を必要とする。だから防水には特に気を使わなくちゃいけないところ。なのにこれがいい加減。
 
HIDは放電系のランプだから体育館の水銀灯なんかと原理はほとんど一緒。
あのランプってスイッチ入れてから明るくなるまで4〜5分は使い物にならないでしょ。
そんなもの車のヘッドライトにつかえないでしょ。 パッシングしたって、高速だったら次のインター過ぎちゃうっての。
そのために点灯するときには瞬間1万ボルトを越える電圧がかかる。で、ドバ!って感じでぼわ〜ッとつく。実際の点灯中は50ボルトがかかってたはず。
だから水に弱いのよね。 モグワイだったら増殖するけどバラストは壊れる。 その上熱にも強くないから風通しの良い水にぬれないところにつけたい。 でもエンジンルーム内にそんなところありませんから〜。 防水性と放熱性と耐熱性はそれぞれトレードオフに近い関係だからどうしても弱くならざるを得ないんですよね。 だから現に弱かった。
 
でもうれるんだから見切り発車でも売っちゃわないとしょうがない。そんな製品が多かったんですよね。
発熱は少ないよ。でも燃えると50Vとかだったらあっさり燃えるくらいの熱が出る。
なのでひねくれたい未では要注意な熱の出なさ。
発熱が少ないってことは雪はダメだね。レンズ面、バンパーの上に積もるよ。
 
他には実は紫外線が結構出る。 だからお肌に大敵。^^; 日焼けマシーンにも使われているとか。
まあ自動車用は紫外線カットのコーティングがされている(はず)なのでそれほどでも無いんだけど、実は反射板が侵されたりするのもあるので気をつけてね。レンズも同様。発熱量が小さいからプラスチックレンズ対応なんていってたんだけど、実は昼も夜も紫外線にさらされてなんてこともあった。
 
他にはH4タイプなんかのハイロー切り替えがついている奴。これの作動トラブルが多かった。
基本的には光源は1個なのでソレノイドでバーナーの位置を切り替え、引っ込んだり出っ張ったりすることでハイロー切り替えをするんだけど、この機構が結構壊れてた。 これが壊れると電気つくのにバーナー交換。これが1万円とかして交換できない なんて話もよくあった。これはソレノイドの起動電圧、電流量の不足に起因するところがあって、リレーの取り付けで改善なんてのもあったの。 だからうちのはリレーが標準付属。
 
左がH4 右がHIDのバーナー 見りゃわかるって。
あとはどうしてもバーナーが大きくなるんでライト裏の防水に問題がでて、ヘッドライト内に水がたまる。この辺もちゃんと処理したいところ。まあ、あとあと見るところってわけでも無いから見た目はそんなに重視しないけど純正同等の信頼性は最低限確保してよ。
 
 
おお、すばらしい。 ノーマルみたい。 真ん中チョイ上がHIDのバーナー その右の四角いのがリレー
最低このくらいはきちんとしたいよね。
 
他にはヘッドライトの球切れ警告灯なんかがついてる車種だと特別なアダプターをかませて車をごまかしてやら無いといけない。それを買うと意外と値段高かったりするんで、警告灯つきっぱなしの奴とかもあったな〜。 ひどいのは警告灯の球殺してあったり。^^;
 
なんてところでしょうか。
 
そんなわけでHIDキット。値段は安くなってきたけど良いものを選んでください。
しかも重要なのは取り付け。 ここ毎度のことながら強調ね。
だってさ〜せっかくお金出してつけるものだもん。 ちゃんと使えなければ意味無いよね。
 
うちでこっそりお勧めしてるのは これ GO!→
 
え?なんでこっそりかって? 
取り付けるの神経使って大変なんだもん。こればっかりやってたら うち つぶれちゃうよ〜。^^;
でもオーダーもらったらきちんと最後までやりますからね。
 
ここの製品はメーカーの対応いいし、近所だからレスポンスも早い。かなり昔からやってて、なおかつ常に改良してる。大手じゃないけどアフターも安心。消耗品や補修部品もしっかり対応してくれる。この辺でお勧め。
 
最近はHIDのアフター市場が縮小してきてる。流行はじめに売りまくってたメーカーが撤退しちゃったところもあるくらい。
考えるに、標準装着が増えた。初期ものはトラブル多発。なんてのがあったからどうしても立ち行かなくなっちゃったんだろうね。安価な東南アジア製品にどんどん押されちゃったし。
供給なくなっちゃったら困っちゃうよね。
だからこないだもあったけどうちではバーナーだけ交換も対応できます。 他のメーカーの製品でメーカーからのバーナー供給が無くなったなんて製品でもうちの取り扱い品でバーナーだけ交換できる。 交換用のコネクターもセットで販売だから、コネクター交換すれば他のメーカーのものにも取り付けできるよん。
 
最後に注意点ね。
どんな車にも理論上取り付けできるはず。
でもスペースの関係や、警告灯、ヘッドライトの形状、なんかで取りつけお勧めしない車種なんかもあります。
そんなときはお客さんもうちも満足いかなくなるからあまりお勧めしません。
どうしてもというならつけられるけど う〜〜〜ん。  ほんとにやるの? って3回くらい聞きますよ たぶん。^^
 
HID化は見た目、ファッション性なんかで夜の満足度バッチリあがるんだけど、(綾小路きみまろみたいだな。^^)求めているのはファッション性? ちがうちがう。少なくともうちのお客さんは必要性でライトの性能を求めているはず。だから安易なお勧めをしない商品という位置づけにしてるんですね。
 
ファッション性は満足できてもライトの性能求めるならいいものをきちんと取り付けて、純正同等かそれ以上の性能を手に入れましょうね。ミーハー心だけじゃだめよ。^^





  HIDやってます (ないしょでテスト開始〜)  2006年4月1日


私はHIDが嫌いです。 トラブル結構あるから。^^
だから積極的にやってません。・・・・。
 
 
でも実はうちHIDのシステム 代理店なんです。
お客さんからといあわせも結構あったりして。でもうちはあんまりお勧めしませんよ〜
なんてこたえてました。 だって、HIDの市場がむちゃくちゃでどこのHIDを使えばいいんだか解らないし、この先どうなるかわからないってこと考えると安易にお勧めできないじゃないですか。
間違いなくこの先 HIDはメーカーサプライヤー含めて淘汰が始まるわけだし。
 
うちのお客さんはチョコチョコ車乗り換える人も少ないし、そうなるとうちで売った以上はしっかり責任持てるものを販売していかなくっちゃいけないわけだし。
 
現に名前で売ってる大きなブランドのHIDだって製造元変更されたみたいだし。
だから今のうちによさそうなものをピックアップしてテストしてみることにしました。
その満足度でお客さんが満足させられる製品かどうかを決めてうちの取り扱いにするかどうかを決めます。
もちろん価格も含めてですが、HIDが明るいのは当たり前なので、それ以外の部分のテストが今回の趣旨です。
 
 
実はセキュリティーも扱ってたりして。でも嫌い。夜中になるから。 意外と何でもやってます。^^;
 
 
 
HIDは別名ディスチャージとかキセノン とか呼ばれる主にヘッドライトに使われるシステムの名前ですね。
最近では各メーカー純正で採用になってきてだいぶおなじみになってきた。
うちではほとんどどんな車でも後から取り付け可能なHIDシステムを取り扱ってますので、それをご紹介てかテストします。。
 
 
今回はうちのカングーに取り付けてみました。
なんでかっていうとH4タイプなんで、可動部分があってこいつが壊れないかどうかのテストもできるってわけ。
しかもかみさんがお迎えなんかでほとんど毎日可動車だからテストにはもってこいでしょ。
 
 
キットはこれ。
おーい。商品紹介なんだからもうちょっときれいな敷物敷けよ〜 ^^;
 
このキットは何から何までぜ〜んぶがセットになってる。
左の真四角いのが2個 これがバラスト= 安定器。 
 
で、これがバーナー 
要は電球なんだけど、 実は放電で光る。
だからバーナー と呼ばれたりもする。
 
意外とキットに含まれていないのが リレー。
こいつが無くってH4のバルブが切り替え効かなかったりするケースあるのよ。
うちのキットはそれもついてるから安心よ。^^
 
リレーもそうだけど、コネクター、バラスト各部の防水にも気を使っていて好感の持てるキット。
まずはヘッドライトをはずしてバルブ→バーナーの交換から。
 
これが純正のヘッドライト裏。
プラスチックの蓋をはずして防水のゴムを取るとこんなかんじ。
ここにこいつを入れる。
 
右がHIDのバーナー H4タイプなんでシェードも一体。チラッと見えてるガラスの部分が発光部でこいつがハイロー切り替えに応じて出っ張ったり引っ込んだりする。 このシェードの右と左の切り欠き部分と光源の位置の関係でハイローが切り替わる仕組み。
バルブを取り外して中を見るとヘッドライトの中に純正でシェードがついてる。
こいつに当たっちゃって奥まではいらないからこいつは切り取る。
 
黒い6角形の奴ね
カングーは見てのとおりこんなのがついてるんでこれをはずして切り取っちゃう。
ちょっと心配でしょ。 でもちゃんと考えてやってるから平気。安心してね。
 
はずして。
 
切り取った。 なんかカキ氷のシロップ くむ奴みたい。
左がイチゴ用で右がメロン用  うそ。
そんなこんなバーナーを取り付けます。
取り付けはH4互換の取り付けだから何も考えること無い。
防水ゴムもきちんとはめる。
 
こんなかんじね。
ホントはゴムの上に写真のような蓋がつくんだけど、今回は取り付けません。
というか取り付けられないの。
バーナーのお尻が出っ張っちゃうから蓋ができないのね。
で、キットの中にはこれに穴を開けて取り付けられるゴムの蓋がついてたりするんだけど、カングーはたまたまこれをつけなくても防水しっかりできるからつけません。
 
でも純正同等の防水性は確保してるよん。しっかりつじつまあわせた。
裏蓋いじってつけることも考えたんだけど、実は1年位前からの市販車は全車標準で光軸調整システムがついてるから無理につけるとそいつが不具合出る。 だからわざとこの形に落ち着いた。
 
 
バラストは防水性高いとはいえ取り付けは選びたいところ。
右はヘッドライトの後下 につけた。見えそでみえないところ。
 
左はストラットアッパー脇。わざと見えるけどこれも微妙に見えないところ。
右と同じところはヒューズボックスがあってつけられない。
でもHIDのリレーはこの箱に入れられるから実にスマート。
取り付けは付属の両面テープ。 不安だけど、今回はわざと耐久テストも兼ねてね。結構強力。
 
ここらへんまでくると配線がごちゃごちゃしてくる。
 
あ〜 こういうの大嫌い。
 
で 最終的にはこうなる。
 
ほーらすっきり
やっぱこうでないとね。 
 
 
今回はなんと3000Kのバーナーを選んで見ました。
これはね純正ハロゲンに毛が生えたくらいの色温度。
 
 
だからね色が黄色っぽいんでフランス車に意外といいのよ。
しかも真っ白な奴より見やすい。
ここらへんがHIDの落とし穴でね。色温度が高くなると青白くなっていく。
すごく明るい感じするのよ。点灯しかたもドラマチックだしね。
でもこれが雨の日とかはむかつくくらい見えない。 それって本末転倒でしょ。
目が疲れるよ〜。
 
だからわざと3000Kを選んでみました。
ハロゲンと比べると違和感無い。 満足度微妙に低いかも。
でもHIDのわりに見やすいよ。しかも端から見るとヘッドライト妙にレモンイエローでいい感じ。
こういうのがまたさりげなくって好きだったりするのよね。^^
 
まあ、ながくなったんで能書きは次回。


  必ず壊れるセルモーター があるんですよ。?? 2006年3月29日
 
でもね不思議なんですよ。
おんなじモーター使ってるはずなのに壊れるのは大概サンクかメガーヌです。
寿命が短い。
 
何でだと思います?
 
プジョー系統のエンジンの車はセルが前に来ます。
ルノーは後。
ルノーのセルはエキマニ近くにあるんです。
だから負担以外の熱にも常にさらされている。
で壊れやすいんですね。
 
ってこれでも漠然としてて当たり前すぎるんで、この写真見てください。
普通は非分解なので意外と見れないですよ。
 
モーターの中身です。 
真っ黒なカス がいっぱい溜まってます。 
しかも見難いんだけどケースの内側に放射状に4個あるはずの磁石が隣同士くっついちゃってる。
という感じで壊れるんですね。
だから基本的にばらしても修理が効かない。
こうなるとケースの交換が必要なんです。
 
この磁石が実はケースに接着してあるんですよ。
この接着が長年の熱害ではがれちゃうんですよね。
 
壊れるプロセスはこうです。
磁石の接着がいつの間にか熱害ではがれてしまう。
この磁石が回転子との磁力の反発でその本来の場所から移動してしまって隣とぶつかり合う。
〜このくらいまではまだ普通に回っていて不具合は感じないでしょう。〜
 
その移動しちゃった磁石が磁力の反発のたびにさらに移動を繰り返す。
そのうち回転子に接触、磁石を削り始める。
〜このくらいまできてもまだセルは回ります。〜
このころ音の変化がおきてるはずですが、せいぜい1秒から数秒なんで気がつかないはずです。
 
磁石の粉がそこらじゅうに付着、回転子との間につまり始める。
負荷がどんどん大きくなって、セルの回りがおかしくなり始める。
〜でもバッテリーが元気なんでまだ回ってたりして〜
 
ただでさえ電気を食うセルが余計に電気を食うのでバッテリーが回しきれなくなる。
余計に加熱、各部が焦げ始めていよいよ終末へ。
〜さすがにエンジンかかりにくくなってきます。〜
セルが電気食っちゃうから点火やコンピューター、燃料ポンプなんかに電気がまわりにくくなっちゃうからなんですね。
 
無理にブースターケーブルつないだりして。^^;
あ〜あ。 だめだよそんなことしちゃ。
原因はバッテリーじゃないのにバッテリーが駄目なのかななんて勘違いしてる。・・・・。
 
数回に1回くらい セルが回らなかったり遅かったりしてきます。
出先でかからなくなる。 終了で〜す。
JAF 呼んで下さい。^^;
 
てなわけで壊れるんです。
 
しばらくほっとくとまたかかったりして。^^; そしたら迷わず修理屋さんへ直行。エンジンとめちゃいけませんよ。
磁石は存在してるから磁力も当然ある。だからなんかの拍子に回転し始めちゃえば回っちゃうんですよ。
 
でも かかるかも ってあんまりしつこくやってると今度はセルの配線が焼けちゃうんでほどほどにね。
そしたらまた厄介ですよー。普通の車屋さんはセルは交換しても配線までは確認してくれませんから。^^。
 
あ、あとね、充電系、発電系、かならずチェックね。
バッテリー交換だって落とし穴がある。次の機会に書きますね。
 
だってこういう症状のとき、一番最初にお客さんに聞くのは だれがバッテリー交換しました? ですから。
そんだけバッテリー交換時のチョンボが多いってことなんで。
 
では。
 



 トゥインゴ 飽きちゃいました?
          クラッチ交換ついでにエンジンスワップしてみました。  2006年3月25日


フランスのオフィスから送られてきた写真でお茶を濁しただけだと、本社はちゃんと仕事してるんですか?って声が聞こえてきそうなので工場の作業も一応のっけとかないとね。・・・・。
 
というわけで、ついでなんでエンジン積み替えちゃいましょう。 トィンゴのエンジンはC3G それにサンクファイブ後期のC3Jを乗せます。
C3Jはもともとインジェクションなんで、車検のときの公認がとてもスムーズですね。
すーべてそのままで排気量変更だけすればいいくらい。もちろんエンジン型式は申請しますが一発OKですよね。
しってました?うちって昔は国産車のエンジンスワップばっかりやってたって。^^;
 
この2個のエンジンは、基本設計がとんでもなく古いエンジンで、R8のころから使われています。
R8も4も縦横両サンクもみーんなベースは一緒のOHVです。サンクターボもこの系列です。
エンジン型式で言う680系810系840系、そしてC1〜C3なんてのがそうですね。
キャトルの1400だって簡単に作れちゃいます。
某国産メーカーのOHVもこいつをかなり研究してますよね。だから部品使えたり使えなかったり・・・・。
 
基本設計を40年以上前に持つ、この系列のエンジンはとんでもなく互換性があるってことになります。
でもいくつかのポイントがあるんでそこを押さえないと失敗します。
ポイントだって平気で公開しちゃいます。
 
R8〜R4〜縦サンク までの流れは縦置き専用ブロック。これがFF用とRR用二種類。MR用も一応ありますけどね。
シュペールなどからは横置きになっています。こっちはポイントを抑えていじれば縦横に使えます。
 
縦置き専用ブロックRR用、とFF用の一部はジャーナル径が細い。クランク関係の縦横間の流用はできません。
てことはここを逆手に取ると加工クランクで・・・・・・。内緒。
 
クランクシールやオイルパンのガスケットも違います。
だから中途半端なOHするとガスケットがたりなくって一部ふるいの使うなんてインチキする人がいるんですよね。
OHしたのになんでオイル漏れるんだろ。なーんて当たり前ですから。
コルクのガスケット締めすぎちゃ駄目ですよ。規定値はほんとにこれでしまってんのか?というくらいの0.1ギュット くらいです。(ほんとか?)
 
他にはゴルディニ系は肉抜きブロック、サンクのターボ系、アルピーヌ系は強化。
他にも車種によってボアアップ限界の違うものから、プッシュロッドの逃げ、リフター径、カムジャーナル、カムチェーン、テンショナーの仕組み、とんでもないバリエーションがあります。
ヘッドもスプリングの数や、シート形状、厚さ、ポート、バルブ径、ノックセンサーやらまあとんでもなく違います。
カムにいたっては星の数ですね。
 
まあでも載せ替えなら中身は気にしなくっても平気。
つけばOkですから。
ただ、一個だけ大きな注意点があります。それらの流用での注意点です。
それぞれのエンジンは搭載方法によって、ウォーターポンプの取り付けの位置が真反対になります。クラッチ側とクランクプーリー側の違いということなんですが、このとき水の流れが逆に流れている事を忘れないでください。
 
だからサンクアルピーヌのエンジンをR8に載せるとシリンダーヘッドの水が滞留しちゃうんですよね。というか、入ってくるものと出て行くものが混ざっちゃうんです。だから載せ換えのときは工夫してから載せてください。ちなみにこの工夫がしてあった車は1台しか見たこと無いです。
だ〜れも気がつかないんだろうな。まあ、別に水温計の上ではオーバーヒートしないでしょうしね。ヘッドの一部に熱い水がの淀みができてるだけなんで。・・・。ああ、脱線。
 
今回の載せ変えは 横横同士のエンジン載せ換えなんでな〜んも心配ありません。
補機類だってボルトオン。
こっちがC3J 1400ccです。
C3Gは1200ccくらい。
  
で実際の乗せ換えはただのエンジン交換ですが、下ろし載せは意外と面倒な作業です。でもセオリーどおりにすべてボルトオンですから楽ですね。
しか〜し。ポートの段付きが結構すごいんですよ。だから削ってやります。
 
見やすいようにブルーで塗ってありますが、ポートの周りのケガキ線みえます?
こんなに違います。
まあ、こんくらい車の用途を考えれば気分の問題 程度の差ですけどね。
逆に段があったほうが霧化しないガソリンが霧化しやすかったりして。・・・・。
 
もちろんヘッド側もきれーに削りましたが、エキマニ側もきれーにね。
ポート研磨はしません。どうせ回る、エンジンじゃないしインジェクションなんでピカピカにしたら逆効果でしょ。
 
普通はリューター使うんですけど鋳鉄は硬いし、冬はリューターがつめた〜くなって持ってられないんでヤスリで削ります。
荒めのヤスリを使えばこんなのあっという間です。体もあったまるし、息もきれます。^^; ちなみにインマニとエキマニは一体式で効率が悪そうです。でもシングルポイントインジェクションだから霧化の促進効果狙ってるのかな?
 
まあ、基本的に本来の作業はクラッチ交換。改造といえば改造?。エンジン交換てなレベルなんで大味でいきます。
C3Jエンジンもあらかじめベアエンジンにして有りましたから、補記類を付け替えればまったくのボルトオン。
あ、ウォーターポンプも違いますからね。
 
タペットカバーがちがうので交換。実はネジ穴の数が違います。
コストダウンか?
てなわけで C3J のヘッドからスタッドボルトを抜いてやります。
エキマニの固定ボルトの数も実は違います。写真無いけどね。
まあ、細かいところはかなり違うんですけどつじつまあわせをきちんとすればOKです。
きっとこのトゥインゴもエンジン載せ換えられたことに気がつかないはず。・・・。
最近俺、なんか調子いいな〜 みたいな。
 
バルブスプリングは赤です。赤帽仕様のヘッドか!?  うそです。
サンクファイブのインジェクション仕様はカムもスプリングもマイルドなんで上まで回りません。
それですね。
クラッチ交換に際してはぜーったいおさえなきゃいけないポイントだと思う場所があります。
クランクシールですね。こいつは交換しましょう。
 
この赤っぽいのがクランクシール。エンジンオイルに強い材質が選んであります が!なぜか圧力には普通の形状。
ブローバイ圧が高くなったエンジンは絶対にもれますね。
とはいえ、クランクシールはクラッチキットには入っていません。
だから別に用意しなくっちゃいけません。
通常クラッチは部品をオーダーするとクラッチ3点なんて呼び方で3個の部品が来ます。
クラッチ板、クラッチカバー、スラストベアリング。
だから、プロでもクラッチ交換はクランクシール交換しないのがほとんどらしいです。
 
クラッチあけて交換するときにクランクシールの漏れを偶然見つけても部品取り寄せ面倒だからいいや、なんて作業ふつーにおこなわれているとかないとか。よそのことはしらない。
 
だいたクラッチ交換は普通で5〜6年。遅い人だと10年くらい。
キャトルとかサンクなんかだと20年くらいたってます。ここは換えなきゃね〜。
ルーテシアなんかみんなもれてる。
 
と簡単なメニューでも押さえるポイントは押さえたつもりでクラッチ交換完了。
組みあがったのがこれ。
 
見た目変わらないから満足度ひくーい。
でもこれ申請しなくっても車検通っちゃいそうなくらいま〜ったくわかりませんね。
うちはもともと改造屋なんでもちろん申請〜公認とりますけどね。
だって自動車税も自動車保険も変わらないもん。
 
さーて長くなりましたね。
 
乗った感じですが、やっぱりトルクのある分走りが楽ですね。
なが〜い上りなんかもかなり違います。
高速も結構いい感じで走れますね。
シフトダウンの迷いが少なくなった感じ。踏むとな〜んとなく前に出る。
 
意外とお勧めですよ。
この車はクラッチレスのイージーですが、この後クラッチペダルをつけてパック仕様にするつもりです。
もっと乗りやすくなるだろな。
イージーシステムの半クラッチの時間が短くなったような気がします。
あとは曲がり角での立ち上がりのためのシフトダウン。これは3割くらいはサボれますね。
 
積み替えシリーズこれで終わらせる気はないんです。
でも今は内緒。
ヒントはルノーにはほかにも4気筒のエンジンでF系ってのがありますよね。  あ、内緒。
おたのしみにね。うへへへ。
 


  正月早々大変です。
      ブレーキブリーダーの交換なんてのをやってみました。
 2006年1月22日
                                                        


えーとブレーキの修理のときは手が汚れるんでカメラを持つのが面倒なんですよ。
だから写真が少ないのは勘弁してください。
 
さて、このブリーダーですが、どんな構造かすぐにわかりますよね。
真ん中に穴が開いていて先端がとんがってる。そのテーパー部分から横穴があって真ん中の穴と貫通しています。
このとんがりのテーパーとキャリパー側のVの穴のテーパーが密着することでオイルの漏れを止めているんですね。
 
ブリーダーには8mmのメガネがかかる六角がありますよね。
てことはあんまり強い力で締めちゃいけないんですよ。
強い力で締めすぎると、実はブリーダーの首の部分がのびちゃって、次に緩めるときに弱くなってるんですね。
もちろん古い車では、ここのネジを何十回もいじってるからネジがもろくなっているのはあたりまえで、それ以外にも錆びによる固着とまあ、折れやすい条件が整うんですね。しかもボルトの真ん中に穴が開いているわけですから特に折れやすいボルトだって言うこと忘れずに作業しましょう。
 
さて、こいつは折れてしまったからもう仕方ないですね。
こんなもんが逆タップで外れるわけはありませんが、前回締めすぎで伸びてたボルトであれば緩む可能性も無いわけではありません。
でも明らかにこれは錆びによる固着ですので、当然外れません。
 
そういうわけでドリルでもみとります。
ネジ径は6mmです。てことは理想では5.8mm弱くらいの穴をあけてキャリパーの側のねじ山 その山頂 は傷つけなければうまく取れるはずです。出てくるのは針金かすみたいなのだけになるはずです。まあ、そううまくは行きませんけどね。
 
折れ込んだネジは錆びていればいるほど取るのが困難です。
しかもキャリパー側には一切傷つけたくありません。オーバーサイズのブリーダーなんか入れるようなことだけは絶対に避けたいですね。
鋳物だし、ねじ切るのも難しいし、何よりテーパー面をきれいに仕上げるのはハンドツールでは至難の業です。
テーパー角に合わせた刃先も自分で研ぎあげなければなりません。そこらへんじゃあ売ってません。
 
一般的にドリルでもむ際はセンターに穴を開けなければその後の可能性がまったく変わってきます。
センターにポンチが打てるか、これで今後の作業がまったく変わるくらいセンターだしと断面の平面だしには気を使いたいところです。
でも今回はうまいことに真ん中に穴が開いているんでセンターだしの手間は省けます。ラッキー~  なのかな・・・。
そのセンターの穴に沿って穴を開けていけばいいんですが、先端は厳密なテーパーがついていますので、貫通前にはとめなきゃいけないんです。
寸止めです。・・・。
 
とりあえずネジの剛性を弱くしてこじりだす方法も試すために
小さめの穴を開けていきます。
 
どうやって寸止めの目安にするか。
こいつが難しいです。
とりあえず掘って行くと一瞬手ごたえが変わるはずです。なんでかわかります?
ネジに対して垂直に開いていた穴がテーパーに向けて横穴にかわるから、その瞬間は手ごたえが変わるはずですよね。
そこまでは余裕で掘っていきます。
そんなのわかるかって?わかりますよ。多分。
 
もう一回今の写真見ると
微妙に7時くらいの方向に横穴がのぞいてるのわかりません?
 
横穴に到達したら横穴がなくなるまではまったく問題ないです。どんどんほっていきます。
横穴が消えたらこっからが勝負です。
 
横穴が消える寸前、直後、切削面が結構荒れます。こんな感じですね。
ブリーダーを観察するとわかるんですが、ネジ部からテーパーに変わるところは首が細くなっています。
ここまでネジをネジ径よりほんのちょっと小径のドリルで削っていって、細くなったところでこじってやればひょっとしたらテーパー部は無傷で取り出せるかもしれません。
 
というわけで手ごたえとカンで削っていくわけですよね。
そしたらもうほんの一回り大きなドリルで掘って行きます。
 
とまた一瞬手ごたえが変わりました。
 
ドリルを抜いてみると
 
じゃじゃーん 成功です。 
先っぽだけが抜けてきました。
うまく行っちゃいましたね。とはいえ、このネジを抜くのに1時間近くかかります。錆が無ければ早いんですけどね。
よく切れる刃も必要ですね。
 
で、上の写真にも写っていますが、ブリーダー新しいものを入れてやる必要があります。
とはいったもののシムカの部品なんて簡単には手に入るわけがありません。
調べるとキャリパーのメーカーは Ate です。
てことはプジョー系なんてのが使ってるんで漁りに行くとありました。
プジョー306のキャリパーがおんなじAte製です。そこから拝借します。
こちらはホースの刺さる部分の径が少し大きくなっているだけで、ネジ径、ピッチ、テーパー角度まで一緒です。
そのときにみたプリメーラのキャリパーも日本製なのに形一緒でした。 ライセンス品だな・・・。 306にはプリメーラ系が使えそうってことはひょっとしてスカイラインの・・・。  あとは勝手にやってください。 ^^v
 
そんなわけで306のブリーダーはさびも無くユニクロ鍍金らしき鍍金もしてあるんでなんか安心しちゃうなー。
トップブリーダーも推奨です。??
こんな感じですね。
きれいにできました。
ああ、そうそう 新ブリーダー入れる前に キャリパー側のネジ穴タップかけるの忘れないでくださいね。
しかも相手がテーパーになってるんで、傷つけないように慎重にね。
次ぎ錆びにくいようにちびーっとグリスも塗ってやったりして。
 
ネジ きれいに全部残ってます。 天才かも。
前にすごいの見たことがあります。
ブリーダーから漏れが止まらないって奴。
 
はずしてみたら横穴がぺちゃんこになっちゃって形が変わっちゃってたんですよ。完全にネジの長さが短くなってる。
明らかに締めすぎですね。
ゆるけりゃゆるいでこわいですしねー。
 
締め付けトルクは知りません。^^;
うちでは0.8ギュットくらいで締めてます。
ギュット はローカル単位で ぎゅ っと締めるのが1ギュット ・・・・。
うそです。^^。
 
ことしもがんばるぞー。
 






 
 ブレーキパッド交換のポイント。〜106の足回りちょっとした伊藤家ネタ。^^ 
                                                           2005年10月30日

 
いらっしゃいませ。
 
さて、この106ですが、まあ、大体の人は車高が下がってるんですよ。
でもね、結構大変な思いをして車高下げてもね、最後の詰め、意外とやってないんですよー。
 
まず写真を見てください。
 
スタビの車体側の取り付けです。 
車体に当たったあとがあるのわかるかなー?錆が出てるでしょ。
 
そうなんです。実は106のS16は特になんですけどスタビの幅がちょっと狭くて車高を下げるとボディーに干渉しやすいんですよ。
そのうえ車高が下がるとスタビはノーマルのときと比べて万歳したような形になっちゃうんですね。これじゃあ、スタビはあんまり仕事をしてくれません。
もともと想定外の角度に上向いちゃってるスタビが仕事をしたくってもできるはず無いですよね。
しかもちょっと足がちぢんだだけでスタビがボディーに当たっちゃうんですよ。直進時の段差でもゴトゴトあたってるんです。
 
足交換したからな〜 なんて思ってたでしょ。
お店に「なんかゴトゴト音するんですけど」なんていっても
「仕方ないよ、足硬いんだもん」 なんていわれたりして。・・・・。
 
でもね、プジョーもそれを知ってか知らずか いいことしてくれてるんですよ。
 
これノーマルです。スタビエンドのところ。
ここからスタビリンクって言うのかなを介して ストラットに力を伝えています。
下側も上側もピロボールを使用して凝ったつくり。
 
きっと設計者はサスペンションのストローク内でどの角度にロアアームがいてもスタビの力ができるだけ逃げないようこんなつくりにしたはずです。
だからわざわざ高価なピロを片側に2個も使ってる。
でも、車高の低い車はすでに想定外なんでスタビは仕事ができません。
 
じゃあどうしてやるか。
 
上の写真との違いわかります?
スペーサー入れてあるんですよ。
上の写真をもう一度見ると ボルトのネジ部、あまりがちょっと不自然ですよね。
何か言いたげな気がしません?
 
きっとこうゆうことなんですよ。
「車高下げてもスタビが万歳しないように調整代作ってあります。」
「でも、会社にばれるとコストダウンに引っかかるから内緒ね」
「306はばれちゃったからプラスチックで作っちゃった。」  とか。^^
 
って解釈です。
まあ、どうであれつかえるもんは使わないと損ですよね。
そういうわけでここには10mm前後のスペーサーが入る余分がありますから入れない手は無いわけですよ。
こうすれば結果的にスタビリンクを伸ばしてやったことになりますからスタビは万歳しにくいですよね。
 
車高の下がっている人はみてみてねー。
 
 
でもね、これだけじゃあ足りない車もあるんですよ。
どうするかって?そしたらリンクを一回切って溶接で延長するんですねー。
106は鉄のリンクなんでそんな加工も簡単です。
ああ、そうそう他の車の奴。見比べてみると結構長さが違うんで流用もありですけどね。
205に106の奴とか・・・・。 ないしょ。
そこまでしてもスタビは生かしたいですもんね。
 
でもね、そこまでの車って今度はロアアームが万歳しちゃうから、そっちのつじつまあわせがもっと大変になるんですけどね。
ロアアームの付け根、スタビの角度、タイヤの接地角、ストローク、バンプ時のトーインも変わってきちゃうからタイロッドも見直さなきゃいけなくなる。タイロッドの角度も頭に入れとかなくっちゃ。ラックを動かすか、タイロッドで逃げるか。大変ですねー。
 
ロアアームは、垂れてるか水平 が基本。
スタビも万歳してちゃだめです。
それじゃあお正月の車と変わんないですから。^^
もうすぐ初日の出。・・・。
 
しごとしよ。
 



  クランクプーリーって消耗品です。   2005年10月7日
 
いらっしゃいませ。
  
じゃあ、このプーリーのすべりどうやって調べるか。
実は簡単です。出し惜しみせずにどんどん教えちゃいます
 
この写真もう一回見てください
 
赤いペイント見えます?
これ元は1本の線だったんです。
これをあらかじめつけとけば 滑ってるとこんな風にずれるんですね。
 
他にも見極め方あるんですけど、ホントに微妙なんで一番わかる方法紹介しました。
 
 
さて、406も306もオートテンショナーだったからなんとかなったんですね。306は自動でベルトを張ることでプーリー同士がこすれてぎりぎりのところで動力を伝えてこれました。だから、何とかたどり着けた。
 
でもオートテンショナーじゃなかったらベルトは当然、プーリーの外側もはずれてどっかにいっちゃってたでしょう。
動力が伝わらなくなった瞬間、パワステが効かなくなります。これ、結構怖いですよー。
 
クランクプーリーのすべりは国産車でもおきます。
意外と普通にあることなんです。
今回の写真は8万キロくらいのものですね。
昔、21T(ルノー)なんてのは全車標準で滑りました。
しかも部品代7万円位したし。
その上ラジエターが邪魔で工具がまったく入りません。ラジエターはずしてやってるとそれ以外のもののほうが工賃かかっちゃうんで当時は特殊工具作ってました。
 
でも、21Tはターボなんでトルクの変動がでかいし、後はスポーツ走行する車なんてのもよくだめになりますよね。ちょっと豪華版の車は補機類の負担がもろに来るんで滑りやすいですね。
 
ちょっとおかしいな と思ったらしっかり隅々まで見てくださいね。
部品交換はサルにでもできる うちの社訓です。  (うそ ^^)
 
え、写真の赤ペイントきれいだな って?
だって交換した後につけたんですもん。  うへへへへ。
 
じゃあ、何でわかったかって?
それがね見ると解る奴もあるんですよ。普通に見ても解らないんですけど。
原因をさがす。そこを直す。これがたいへんなんですよねー。
 


  エア抜きの話  2005年8月


さて、そんなエア抜きですが、普通なら車にエア抜き大変だからこんな手順でやってね って言うステッカーが貼ってあってもおかしくないんですが、フランス車はそんなものありません。 しかもあったとしても読めないし。^^
 
国産車だとスバルのサンバーとか RRですよね。 でもラジエターは前にあって、ヒーターも前。しかもヒーターはエンジンより高いところにあったりします。だから、いろんなところにエア抜きがついていて、手順のステッカーも貼ってあります。
 
うちでは車検のたびにLLCを交換すると言ってる以上半日もかけて作業していられません。
LLC交換40,000円とか請求書に書いてあったら怒るでしょ。
だから、道具を使ってやっています。
 
原理は簡単で、冷却系等の空気を一回吸い出しちゃうんです。
負圧で引いて空気を抜いちゃいます。ホースというホースがみんなぺちゃんこになります。
そしてその状態でしばらく様子を見ます。
 
負圧のゲージがあがってきちゃったら見えないところでもどこでもどこかからもれてるということになります。
そしたらその漏れも発見できるって寸法です。
便利でしょ。
 
でもね、この道具を使うようになってからあとからもれる車は減ったんですけど、負圧をかけたことでもれてなかったものがもれちゃうことがあるんですよ。 吸い込んじゃうんですからね。 普段は0.4Kg〜1.3Kgくらいの加圧状態だったものを逆側から外からの力にかえちゃうってことだからですね。
 
でも、よく考えてください。
負圧で引くってことは実は吸い込んでいるんじゃないんですよ。
大気圧が1Kg/cm2 かかっているということなので、(実際は真空じゃないから0.25kg/cm位です。)たかだか0.25Kgの力に負けちゃうようなものでたまたまふさがってた物がこの後2年持ちこたえるかと考えるとちょっと怪しいですよね。
 
しかも道路上で漏れ始めたら間違いなく立ち往生。最悪高速でオーバーヒート エンジンおしゃか間違いなしです。
だったらあらかじめ壊れそうなの解ったほうがいいですよね。レッカー呼んだら高いし、その日の予定丸々つぶれちゃいますもんね。
奥さん怒り出したら 車捨てちゃいなさい! って こわ〜。
 
というわけで、実際には低い確率ですがたまに漏れができちゃうのもありますし、見えないところの漏れとか発見できたりしたことも何度もあります。(ヒーターコアとかね。)お客さんでヒーターホース破裂しちゃった人いましたけど、車中水蒸気で大変だったらしいですよー。やけどしなくてよかったですね。 ウオーターポンプの漏れなんかもタイミングベルトのウラなんかで普通見つけられないですもんね。
 
というわけでうちでは負圧を掛けてLLCを交換しています。
これまでの冷却系シリーズでLLC交換は必要です と何度も書いてきましたが、LLC交換はとても簡単で奥の深い作業です。
くれぐれもエア抜きはしつこいくらいにやってください。 LLCは1リットルおおく使うくらいのつもりで。
 
じゃあ、がんばってくださいねー。
 
あ、GT-Tの人 ベルトの上のエア抜きしたらちゃんと水でLLC流しとかないとベルト滑りますよ。
あと、基本的にLLCは蒸発しません。だから、減っているときはもれている可能性が高い、ということ頭に入れておいてくださいね。
あとこぼれたLLCは流しとかないとホントにもれたときにどこから漏れてるのか解らなくなるんでやっぱり流しといてくださいね。
 
 
は〜  たくさん書いたな。
 
で、最後にひとつ。
 
プラスチックのエア抜きスクリューがついている車は、必ず折れます。
折れると取るのが大変で普通の方だとちょっと無理かも。メスネジまで壊しちゃったりします。
だから、折れる前に金属製のものに交換しておくことをお勧めします。
金属製のネジは安いもんです。うちでも売ってます。
 
気をつけてください。
 
奥深いでしょ。・・・。



  一歩進んだあなたはサーキット派かな?  2005年8月

一歩進んだあなたはサーキット派かな?
 
サーキットで高回転を多用するとキャビテーションの発生頻度が高くなります。
特にアクセルオンオフを繰り返すのでウオーターポンプにはものすごい加速度が発生しています、するとスクリューの周りの水は羽根から剥離してキャビテーションがおきやすくなります。
こういうときは ビリオンとかリキッドクールとか そういうのを使えばいいんですけど、実際のレーシングカーはプーリーの速度を変えたりするんですよ。
 
FRの車は昔はファンがベルト駆動だったでしょ。
これが馬力を食うんですよ。数馬力。しかもファンでも高回転だと空気が剥離して効率よく空気を送り出せなくなります。
ただの壁をラジエターの後ろに作ったのと同じことになるんですね。
だれだ、ファンの風で速くなるとか言ってる人。
 
で、ファンは高速走行時はほとんど不要だし、ウオーターポンプもそこまでの回転数必要ないんですよ。普通の車はアイドリングのときでも冷えるように設定してあるんだから。
だからこういうときはプーリーの比を変えてやって減速するのが効果的なんですね。
大径ウオーターポンププーリーなんてのが売ってる車種ならそういうのも手ですよね。
そっちのほうが一瞬は高価でも、ウオーターポンプの回転数が低いってことはベアリングやシールのもちもいいってことなんで、トータルでは安くなるなんてことも。・・・。
LLCも特殊なのは高いですからねー。頻繁に交換するなら。
 
さてそのキャビテーションですが、最近では動体の計測技術が進んできてキャビテーションが発生しにくい形状のはねがつかわれています。
旧ソ連の潜水艦が音が聞こえなくなったのは有名ですね。
あれって日本人が技術ばらしたらしいですよ。^^;
 
またずれちゃった。
ウオーターポンプの羽の形状ですが、昔の車はそんなこと考えていません。(多分)
だからキャビテーションおきまくりです。
ルノーの8と8のゴルディーニだとゴルディーニの方がキャビテーションの腐食が激しいです。
高回転なのに共通なもの使ってるからですね。
でもね、キャビテーションは羽自体も破壊してるんですよ。
だから、ゴルディーニのほうがウォーターポンプの寿命が短いんですね。
 
最近では昔の鋳物製の羽にかわってプレスの羽にとってかわってるんです。
中には樹脂製の羽も。
でもいまだに鋳物製のはねを使っているものも見受けられます。
 
どちらにしろこいつらの羽はキャビテーションで破壊されて解けていく方向なんです。
だからLLCの定期的な交換はそういうカスを出すのにも有効なんですね。
 
むかしねー RBってエンジンが出たころ軒並みオーバーヒートしたんですよ。
原因わからなくってねー。 最後にウォーターポンプ開けてみると羽がないんですよ。
破片探してもみつからなくってね。
とけちゃってたんですねー。
どこにどう溜まっちゃってたんだろ。^^
 



  A110のラジエター その材質と性能の考察  2005年8月

お、来ましたね。ご興味おありのようで。^^
まあ、たしかにトピックスの記事だけだとただの日記ですよね。
じゃあ、薀蓄好きの人のために教えちゃいましょう。
 
うるさい人だとやっぱりラジエターはアルミじゃないと っていうんですよねー。
性能のこと考えると とかってね。
 
以下のデーターを見てください。
 
まず、気になる重さから。
 
比重    アルミ2.7   銅8.5   
 
うわー 重いですねー。その差3倍!!
でもね、実際に計ってみると
 
 アルミラジエター(純正)  3.3Kg
 銅製(今回製作)     4.6kg
 
意外と違わないでしょ。多分アルミと銅だと強度の関係で厚さが違うからなんです。あとアルミっていっても純アルミじゃないですしね。
その差 1.3kg  てことは水1.3リットル、 ガソリンだと1.7リットル 位です。
そこまで気を使うほどの違いかなー レーサーじゃないし。
 
オーバーハングに乗っかってるものなんで実際のタイヤにかかる重量はもう少し重い計算になるんですけど、車軸より50Cm前にあるだけなんでたいした違いでありません。
それよりもっともっと前にFOGランプついてるじゃないですか。^^ パテもたくさん入ってるし。^^;
 
 
じゃあ、冷却効率悪いんじゃないの?
って知っちゃかぶっちゃいけないんですよ。
実は私も学生のころは思ってたんですけどね。^^;
 
熱伝導率は
 
 アルミ 236 W/mK
 銅   403 W/mK 
 
銅の圧倒的勝利。!! ぱちぱち。
 
ちなみに
 水 0.582 W/mK
 鉄 83.5 W/mK
です。参考までに。
 
そのほかの銅のメリットは
 
半田付けで修理ができる=修理が容易
コアだけの交換ができる
あとからでも加工できる=仕様変更に対応
アルミより腐食に強い
 
なんてのがあります。
 
一応基本を頭に入れてください
ラジエターに求められるものは冷却性能ですが、その冷却性能を上げるために必要な形とは以下のようなところです。
1、コア面積を大きくする。
2、コアの厚さを薄くして風のとおりをよくする
3、薄くしてチューブの内径を上げる
ほかに求められる性能は
軽さ
低コスト
などです。
 
じゃあ、何で今の車はどれもアルミラジエターなのかな?
想像なんですけど、今のラジエターは船の部分がプラスチックですよね。
船の部分は汎用ではないので、ここをプラスチックで作るとコストが安く済みます。
船とコアの接合はカシメで止めてあります。てことはプレスで作れるから大量生産向きですね。
コア面積を大きくしても軽いんで層を減らすことができますよね。
軽いんで運ぶのも安く済みますよね。
組み立て時に火を使わないんで公害とCO2対策に有効ですね。半田は有害ガスが出ます。
 
というわけでアルミラジエターは主にコスト面での選択が多いと思います。
 
どうです。 銅のラジエター 見直したでしょ。^^ いえい。
 




  LLCの話  2005年8月 


夏となるとオーバーヒートで騒ぎますよね。
で、ビリオンとかリキッドクールとかそういうのに走りたくなりますよね。
効果は確かにあると思います。
でも、あいつらも魔法の薬じゃあないんで使い方によっては効きませんし、冷却力がもともと落ちちゃってる車には効果なしですね。
この手のものは水の表面張力を換えることでウォーターポンプで発生するキャビテーション(真空に近い状態で発生する気泡)を防止したり、水自体の熱吸収の速度をよくしたりして冷却効果を助けてやるんです。(中には防錆効果が低いレース用の奴あるんで気をつけてくださいね。あ、あれ凍結防止剤もはいってないんだよなー。・・・。)
 
でもね、新車のときからそんなにオーバーヒートしてたわけじゃないですよね。
てことは物理的に冷やせなくなってしまったって言うのが一番の理由だと思いませんか?
 
その物理的に冷やせなくなってしまう理由は、冷却系の発生する錆びやゴミ、そして詰まりです。
なぜだか知りませんがフランス車ってラジエターのドレンがない車がたくさんありますよね。
てことは適当に整備してあった車はLLCを交換している回数がかなり少ないんですよ。
実はLLCは凍結防止に使っているだけじゃないんです。
特に東京なんかじゃほとんど凍結でエンジンが壊れるのはまれです。
だから、どちらかというと求められるのは防錆力なんですよね。
 
でも古くなったLLCは防錆力は落ちまくってる上に錆が浮遊しながら冷却系統をぐるぐる回ってるんです。これじゃあ、錆びだらけになって詰まってもおかしくないですよね。
 
まずはLLCの話です。
 
最近の車では環境保護の観点からLLCは5年もしくは10年無交換なんてのが出てきました。ですがそれらの車のマニュアルを隅々まで読むと今までのことが怖くなるくらい取り扱いや指定が厳密に指示されています。
 
当店ではLLCは極力純正、もしくはその社外品、を使用するよう心がけています。
結局経験上でしかないんですが、いまから10年位前の話です。なぜだか夏になるとオーバーヒートするルノーをたくさん見たんですよ。
何でだか解らなくって色々調べました。
誰に聞いても解らなくって、LLCのメーカーにまで問い合わせしました。ラジエターも分解してみました。そこでわかったことがありました。
 
なぜだかみんなラジエターが詰まってるんです。
錆はもちろんですが、白い石みたいなもので詰まっているのもけっこうあるんですよ。
原因がわからずLLCメーカーに問い合わせてみました。
すると電話でたらいまわしになったあと開発の担当の方がヒントをくれました。
 
1、日本製のLLCの一部のものと欧州車用のLLCを混ぜると沈殿が発生することがある。
2、LLC濃度が薄くなると防錆力が急激に落ちる
 
どうやらこの辺が初期の原因のようです。
 
それからLLCは日本車には日本製。欧州車には適合のものを極力使うようにしています。
しかも濃度は50%!です。
 
シリンダーブロックもメクラ蓋まではずしてみました。
ジャガーなんか水路の半分まで錆が堆積していました。
 
原因のひとつとしてLLCの防錆力に起因する錆びの発生を無視できませんでした。
 
そこから考えるオーバーヒートへのプロセスはこんな感じです。
 
1、LLCの防錆力低下、=劣化、希薄化、もしくははじめからうすかった。
2、水路に錆が発生、剥離したものが各部に堆積して冷却効率が落ちる。
3、オーバーヒート気味になる
4、さらにLLC劣化
5、LLCが吹きこぼれて減る そして水を足す。 また薄くなる。
そしたらもう ネガティブなスパイラルです。  うあ〜
ユーザー車検とか間違いなくLLC交換やってないんだよなー。
 
とまあ、こんな感じです。
 
実はアルミラジエターはちゃんとした管理がいるんですよ。
某社のマニュアルを見ると怖くなることが書いてあります。
要約すると  アルミラジエターは大気中で急激に酸化する為、取り外した状態で内部を48時間以上放置してはならない。保管する場合は密閉するか、LLCで満たして保管すること  なんて書いてあるんですよ
 
他にも昔スリーブタイプのエンジンをボアアップしようとしたらスリーブにクラックが入ったんですよ。原因を調べたらクラックのウラには深い錆びの腐食が。・・・・。LLCの管理が悪かったとしか思えません。
他には 古い車のウォーターポンプ バラしてみると虫食いすごいですよね。
これも腐食の跡です。ウォーターポンプは交換できますが、同じ材質のシリンダーヘッドだったらちょっとお金かかっちゃいますねー。錆びの腐食だけじゃないんですけどね。
 
ごっちゃになりましたが、LLCには  凍結防止剤、防錆材、消泡材がはいっています。
こいつらはちゃんと設定されている濃度で働くものなので、指定の濃度を守らないと意味なくなるんですよね。
 
ルノーの純正LLCはグラセオル というものなのですが、これは指定濃度が50%です。
だから、これを夏だろうと冬だろうと東京だろうと50%で使っています。
なんだよ純正使ってりゃ平気ってことでしょ って思ったでしょ。
 
私もへそ曲がりなんで調べたんですよ。
ルノーに電話しちゃいました。たらいまわしにも慣れてます。うへへ
そしたら資料をくれました。 お見せできないんですけどね。^^
アルミは実は表面に薄い皮膜を自己形成しています。
だから純アルミの製品でも目に見えているのはその皮膜なんですよ。アルミ自体じゃなく皮膜を見ているんですね。その皮膜はとてもはげ易いので、皮膜が取れると急速に酸化するらしいんです。(私も材料工学とかわからんので間違ってたら教えてください。)
そのはがれた皮膜や、腐食の部分をコーティングするような成分が入っているという資料でした。おそらくこんなのは他のメーカーでも使っている成分だと思うんですけど社内の資料にはちゃんとこういうことがうたってあるんですね〜。
 
みたときは なんだよ早く教えてよー っていっちゃいましたよ。
 
ああ、そうそう LLCって冷却効率悪いって知ってました?
効率が一番いいのは水100%です。LLC濃度が濃過ぎるとオーバーヒートするんで気をつけてくださいね。^^
 
LLC侮れないでしょ。
ほんとはまだまだ薀蓄あるんですけどねー。
他にもキャビテーションの話とか冷却のこと書かないと馬鹿にされちゃうんですけど、長くなったので続きはまた。
 
 
 このコラムは参考になった
     


よく見ると笑える。↑
 
あ、ボタン押しても何も変わりません。^^
 



  106のエンジンマウント  2005年7月1日


あなたも好きですね。^^
じゃあ、せっかくなんで検証しながら各部を見てみましょうか。
 
こんな風に折れます。
右が折れたほう、左が新品。
 
このボルトは最近流行の表面硬化させてるボルトで、トヨタなんかはそこらじゅうにこの手のボルトを使っています。
知り合いのネジメーカーの人に聞いたらちょっと特殊な表面処理をして表面硬度を上げるタイプのボルトで、同じ太さでも一段上の強さを持たせてあるそうです。(名前は忘れました)
このボルトは表面がつや消しみたいな感じで、缶スプレーで塗ったような銀色です。
 
マウントの中に折れ込んだままです。折れる箇所はちょうどメス側のネジが終わったところ。メスネジはなめていませんので明らかに外部からの力による金属疲労で、雄ネジの谷のところから千切れるような折れ方です。
実は106の助手席側はこのボルト1本だけでエンジンをぶら下げています。
そのくせ細いですよね。エンジンは横置きなんで前後方向の動きが激しいはずです。
まあ、折れて当然かな?
手に持ってるほうにエンジンがぶら下がります。
へ〜ボタンのほうはボディーに固定されます。
後方向から見るとこうですね。
車体右側方向から見るとこうです。
前後への振れ止めのゴムです。ゴムがこんな感じでついています。
振れ止めのゴム単品です。上から見た図です。
上が使用後 下が新品です。
 
この振れ止めのゴムがある程度動きを制限してるからボルトにかかる力を軽減しているはずです。
でも写真のようになっちゃったゴムだと振れは制限されないんでボルトの負担は大きくなりますね。
こんな感じでエンジンブラケットの前後方向の振れを制限しています。
でも焼きイカの輪切りみたいな形ですよね。
新品はイカリングみたいな感じです。
じゃあ、折れる前に振れ止めゴムとボルトだけ新品に交換すればいいじゃん と思うんですが、折れるころには本体のマウントのほうもこんな感じです。
微妙に輪の形に亀裂入ってるの解りますよね。
しかも中には折れたボルトが残っています。
取り出すほうが手間かかるし。
 
結局どちらも一緒に交換したほうがよさそうです。
工賃は一緒ですから、マウント本体(へーボタン)の10600円の違いでしかありません。
なら一緒に交換ですよねー。
 
この車はタイミングベルトです。タイミングベルト交換のときに一緒に頼むといいかもしれませんね。
そしたら工賃はほとんどタイミングベルト交換のほうですんじゃいます。
 
では、運転席側のマウントはどうなってるかというと、トランスミッションを上側でつっています。
バッテリーをはずすとこのネジが見えます。
 
真ん中のがミッションから生えてるボルトです。太いからこちらのは折れたのはみたことないですね。
このボルト早まってはずしちゃうとミッション落っこちちゃうんで下から支えて作業してください。
交換はバッテリートレイをはずして3本のネジです。
はずすとこんな感じの奴が出てきます。
左が使用後 右が新品。
カラーがはいっています。これは再使用するんではずしてくださいね。
意外と裏側だから気がつきません。
で、ここまでは普通気がつくとは思うんですが、もう少し観察しないとお金はもらえません。
観察すると、カラーの中にはシリコン系のグリスが入っています。
何ででしょうか?
白ミソみたいな奴です。
推測ですが、電蝕による錆びの発生でカラーが中のボルトに食いついちゃうのを防ぐためだと私は思うんですが。・・・。
ミッションがアルミでボルトは鉄だし上はバッテリーだし、あんまり条件よくなさそうですしね。
というわけでこれにはシリコン系のグリスを入れました。
穴の中を見てください。 何かゴムが変ですよね。
カラーがささってた方を観察してみます。ゴムがおかしなことになってます。
これは、熱と圧力、摩擦が加わってできた消しゴムのカスみたいなもんですね。
摩擦による表面剥離ですね。多分。・・・。
外に出してみると
横のが消しゴムのカス。             
耳たぶくらいのカスが出てきました。
というわけでここも摩擦によるガタが出る傾向ですね
このガタが増大するとカラーの意味もなくなるって訳ですね。
 
だから、摩擦によるゴムの磨耗が起きないようにラバーグリスを塗って組んで見ます。
もし、これが摩擦を利用したダンパーの役目だったら逆効果ですけどね。
こちらもエンジンがぶら下がるタイプなので上下に圧縮され、カラーとのクリアランスが減って一体化するわけですから摩擦を使ってるとは想像しにくいですね。ゴムは適度な圧縮がかかってるほうが耐久性は増すんですが、摩擦には磨耗する方向なのでそういう点ではつじつまが合うと思います。
 
というわけで、そんな小細工をして組んでいます。
 
誰も教えてくれないんで勝手にやってるだけなんですけどね。
正しいかどうか走りませんが、私の中では正しいので・・・。^^;
 
 
で、例のボルト折れのほうですが、対策はないのか?
って声が聞こえますよね。
 
 
サイズ的にはもうワンサイズ上のボルトを入れるだけの肉が残っています。
ご希望であればそのような加工もできますし、ボルトの強度UPもできます。
 
単に強度設定の誤算かなと言う気も半分はします。
でも理由がありそうな気も半分あるんですよね。
 
結局今回ボルトが折れたことで、ミッション側の消しゴムのカスやマウントの亀裂も発見できたのですからちょうどいいのかな?って気もします。(ちなみにボルトが折れてもエンジンは落ちません。振動がでかくなり多分解ると思います。)ボルトの強度を上げるといっても例の硬度UPのボルトですから同じようなボルトを用意しなければならないし、マウント側がアルミなので、普通の鉄に鍍金のボルトだと電触の可能性も否めません。食いついちゃうとはずすの大変ですしね。
 
もうひとつの理由をこじつけるとしたら衝突安全です。
エンジンをマウントと結合しているブラケットですが、リブ構造のアルミ鋳物でできています。
上下方向の力には強そうですが、前後方向には意外と弱そうです。
こいつが衝突時に破断してエンジンを下に落とし、エンジンがパッセンジャースペースに飛び込まないようにしてるんだと思うんですよ。そのときにボルトが折れてくれたほうが好都合なような気もするんですよね。
 
だからかなーって。
 
見てのとおりデフォルトはオレンジのへ〜ボタンです。リプレイスは白のへ〜ボタン。
覗いてみてオレンジだったらそろそろ年式的にも点検ですかね。・・・。
新型へ〜ボタンは白です。
組み付けると斜めにつくんで違和感ありますけど、エンジンがぶら下がると実際はまっすぐになるんで気にすることはありません。
 
 
では。
 

 
  A110のブレーキO/H   2005年6月12日

A110って本当はブレーキ効くんです。
 
ご存知のとおり、A110とR8は基本的にブレーキの部品がほとんど共通です。R8もちゃんとしてるとブレーキ効くんですよ。そのブレーキを軽いA110に持ってくるんです。効かないわけないですよねー。
現に私が昔乗ってたA110はロックさせようと思えばちゃんとロックするほどブレーキ効いてました。タイヤはダンロップのG5でしたけどね・・・。
 
さて、ではブレーキの効かない理由からです。
 
1、エアがかんでる。 (インチキなO/Hはエアが抜けない構造です。)

 写真を見てください。
ピストンには向きがあります。丸いマークが打ってあります。これが上になるように組み付けます。
そうしないとキャリパー内にエアが残ります。
 
2、ブレーキマスターのサイズが違う (種類があります。)

 このブレーキシステムには基本的に19mmと22mmのブレーキマスターが用意されています。
一時期19mmが欠品したときに22mmしか手にはいらなかったので22mmを組んでしまっている車があります。
そうするとパスカルの原理により、キャリパーに伝わる油圧は弱くなるのでストロークは少ないが、力を入れないと効かないブレーキになってしまいます。
(現在19mmはまた入手困難。)
 
3、キャリパーの動きが悪い 
 オーバーホールは定期的に必要です。
バラすと写真のような感じです。
中のオイルシールの溝は腐食してオイルシールを持ち上げピストンの動きを悪くします。
ちゃんと直してやると車は一人で押せるくらい軽くなります。




ブーツもこんな状態です。水も入りますよね。
 
4、配管が古くなって詰まりがある
 キャリパーがあんな感じです。
配管内、Pバルブ、マスターシリンダー内 ぜーんぶ そんな感じです。
Pバルブはバラせるタイプの奴もあるのでとりあえず分解清掃します。  
本当はリビルドしたいんですけど中の部品が入手困難なので、できません。
漏れがある奴は厄介ですね。そのとき考えます。・・・。^^
基本的には国産流用が手っ取り早いですけど。


5、ペダル周りの調子が悪い
 ブレーキペダルのシャフト、そのリンク、ピン などぜーんぶ偏磨耗しています。
グリスアップは最低必要。次が分解清掃で、それでもだめならシャフトやカラーをリビルトします。
リンクは6mmの穴が楕円になってるのがほとんどなので、いったん溶接で埋めて新しく製作したピンにあわせ穴を開けなおしたり。 リビルドですね。
 
6、ローターがさびてる
 プーリーのところでも説明したんですけど、ローターはすぐさびるんですよ。
しばらく乗らないと結構深く錆びて、赤錆が熱で黒錆びに変化。
黒錆びは摩擦係数が低いのでパッドの食いつきが悪く、滑りのよいローターになってしまうというわけですね。
とりあえずの解決法はローターを研磨して表面の黒錆を取ってやります。
 
黒光りしているローター でもこれでも実はいい方です。
研磨後のローター
その差歴然 ですよね。
7、パッドが古い
 やっぱり古いブレーキパッドは食いつき悪いですよね。
でもローターの状態がよければ古いパッドでも結構いけます。
パッドの交換は材質が一緒なんだったら実は一番最後でかまいません。  うへへ。
 
ブレーキO/Hの実践に移ろうかと思ったんですけど、このブレーキシステム結構いろんな隠し技、と罠があるんですよ。
で、一回じゃあ書ききれないんで、また次回に続くって事で。
 




 
  ジュニアザガート 身の毛もよだつハンドル効かない。!? 

2005年5月24日

アルファロメオって結構やばいですね。
 
ステアリングギアボックスが割れました。
このギアボックスはアルミ製で結構簡単にクラックが入るようです。
どこの専門店のHPをみても割れると書いてあります。
 
写真は1300ジュニアザガートのギアボックスです。
もともとクラックがはいっていました。
ハンドルを切ったところバックリ割れました。
ここまで割れた写真見たことないでしょ。
さて、何でこれ割れるんでしょうか。
当時から割れるもんだったんでしょうか。
 
考えてみました。
 
1、当時から割れるもんだったのかもしれません。
でもそうだったらこれは何人か死んでてもおかしくないですよね。だったら、かなり問題になってるはず。
 
2、当時のアルミはやはり材質、鋳造技術がよくなかったのかもしれません。
そりゃ問題だ。絶対死んでる。
 
でもそれらのこともあったとしてどのようなプロセスを経て割れるのか仮説をたてて見ましょう。
まずこのギアボックスを割るために、昔と今の違いは何でしょうか。
 
1、タイヤのグリップ向上=当時はハンドル軽い
2、当時はポジキャン(0度50分±30分)の設定=当時はハンドル軽い
3、経年変化、金属疲労、耐用年数、強度不足
 
まあ、この辺が普通だと思うんですがね、
 
今回思ったことがあります。
 
バラしてみると、ボールナットと呼ばれるこの形式のギアボックスはたくさんのボールとステアリングシャフトに刻まれた螺旋が噛みあって舵角をつたえます。
ステアリングシャフトはシャフト自体がベアリングのアウターレースの仕事もしています。
マニュアルによると、各部のクリアランスは100分の1台くらいに規定されています。
 
ばらしたところ、ボールにもレースにもかじりや、傷、磨耗が見られます
とんでもないガタです。これはかなりまずい状態です。
 
左のシャフトはとてつもない磨耗が出ています。
ここまで金属を磨耗させる力を受け止めています。
磨耗したというよりは陥没 と かじり を続けた結果だと思われます。
これではそんな細かなクリアランスの設定は到底守ることができません。
左がだめなほうです。右が比較的平気なほうです。
ステアリングをまわすとシャフト(4)が回転。螺旋によって移動するナット(5)と呼ばれるものが、その力をセクターシャフト(3、ギアボックスから出ている腕)に伝えます。
セクターシャフトは基本的にはタイロッド、センターロッド(62、63)に力を伝えますが、じつはナットから離れて外に(車体上側のほうへ)逃げようとする力も発生しています。
当然ステアリングシャフトも逆へ逃げようと下へ向かう力が発生していますが、同時に右に切ったときは前(車体前方)へ、左に切ったときは手前(ドライバー側)へ力が働いています。
 
つまり、右に切ったときにギアボックス前側に力がかかるので写真のようにハウジングが破断するのです。
今回もその考えどおり右に切ったときに破断しました。 ・・・。   って解ったのは壊れた後なんですけど。
 
それ以外にも破断に拍車をかける構造的な欠陥がありました。
ガタが発生しやすくなる理由です。
このギアボックスは下側のセクターシャフトの出口の部分にオイルシールがあります。これがOリングでできています。
このOリングが曲者で大概もれてしまうそうです。
なるほどアルファロメオのギアボックスの下側はオイル漏れたっぷりですね。
あ、そこだけじゃなくたっぷりですか?^^;
ギアボックス内はベアリング、ボール類の潤滑のためにギアオイルが入っています。
このギアオイルが抜けてしまうんですね。抜けてしまったままにしていると、潤滑が行われないので、ボール、レース類を磨耗させガタが増大します。
増大したガタは100分台のクリアランスから目に見えるほどのガタとなり、そのガタは余計にギアボックスハウジングを広げる力のほうへ逃げていくのです。
この力は多分何キロ何十キロなんてそんな生易しい力じゃないと思います。トンに近いんじゃないでしょうか?
その力は徐々にハウジングを疲労させ破壊へと導くのです。
 
これが今回の原因のひとつではないかと考えます。
 
まとめるとそのプロセスは
 
1、オイル漏れによる潤滑不良
2、潤滑不良によるベアリングの破損、経年変化を含めたクリアランスの増大が発生。
3、クリアランスの増大によりステアリングからの入力が舵角以外の場所へ力として逃げる。
4、その力が弱いところへ集まる。
5、弱いところが耐え切れずクラックが発生
6、クラックが成長し、ギアボックスを破壊する。
 
クリアランスが規定以上になったとき、それは破壊への序章です。
 
ほーらギアボックスのオイル確認したくなったでしょ。^^
これが首都高とかでおきたらやばいですねー。新宿の90度コーナー 右コーナーでしたよね。
あそこ90キロとかで普通に突っ込んでませんでしたっけ?
あーこわ。
さて、どの道この故障はこのギアボックスを使う限りまた発生するでしょう。
3つの理由と仮説、壊れるには十分です。
Oリングの交換は厄介です。交換してもまた漏ります。
Oリングをはじめベアリング、ギアボックス関係の純正部品の供給は無いそうです。
じゃあ、どうすれば安心できるでしょうか。
 
実は親切ないろんな業者さんがいらっしゃって教えてくれました。
他の車種のものが流用できるそうです。鉄でできてて頑丈。しかし加工が多少必要で、変なところを加工します。
まあでもハンドル効かなくなるよりいいか。
 
車種はここでは書きません。なんかお金持ちの人が片っ端から中古を買いあさったらいやじゃないですか。
結構有名な話だそうですので、別に隠すわけじゃなく、必要だったらメールでお問い合わせください。
 
まだクラックがはいっていないギアボックスのオイルの漏れにくくなる簡単な方法も教えてもらいました。
こっちも必要でしたらお問い合わせください。
 
このお客さんいい人でマニュアルの日本語版まで貸してくれたんで色々解って助かっちゃいました。^^
でもどっち道またアルミ製のギアボックスです。気をつけましょうね・・・・・。


2006年8月30日更新
 
これまでこの記事に関するお問い合わせをこれまで結構いただいてまいりました。
ですが、悲しいことに返信してもなしのつぶてだったり、流用の意味を理解していないかた、教えるのがさも当然な態度の方などちょっと勘違いをなさっている方もいらっしゃいました。
 
そんなわけで、正直言ってなんだかせっかくやってても、くだらないような気がするので、以降お問い合わせに関しまして締め切きりとさせていただきます。
 
メール、電話、FAX等でお問い合わせいただきましてもご返答させていただきませんので、あらかじめご了承ください。

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  新しいアシ イタリアの原チャリ  2005年5月16日

新しいアシできちゃいました。

いままで、近場の移動などには初代JOGを使っていました。
まぁ、原チャリをノーマルで乗るわけはないので、昔で言う”ジョグッパチ”って言う仕様でしたけど。^^
エンジンをチャンプ80のものに積み替えて乗っていました。
すごく気に入っててフロントはフォークごと交換、ディスクブレーキにしてよく止まるバイクにしていました。
リアショックも強化して、駆動部品などはどんどん新品をおごったりしたんですけど、基本的にはノーマルにしか見えません。
スピードも多分90キロくらい出てたかなー。

でもこの手の部品が製廃になってきたし、ピーキーなところもなく乗りやすく早いバイクに一応出来上がったんで次のをまたいじりたいなーなんて考えてたんです。

で、次のバイクが出来上がっちゃいました。
一年がかりですけど。

バイクは、イタルジェット ベロチフェロ です。
イタルジェット社が作ったバイクなんですが、デザインはスモールベスパの進化版 見たいな感じです。
なかなかいいデザインでしょ。

これをだいぶ前に手に入れていました。
少し修理して乗れるようになってたんですけど、ジョグッパチ があったからとてもじゃないけどノーマルの50ccには乗る気になれなかったんですよね。

このイタリアのバイクをどういじるか。
実はこのバイク、スズキのエンジンをOEM供給受けて使ってるんです。
早速知り合いのヤンキーのお兄ちゃんに聞いたら、「あーこれセピアとかのエンジンとおんなじだと思います。」 ですって。

これが純正の50ccエンジン キャブはデロルトです。
口径がとても細くてしかも楕円だったりします。遅いはずです。


というわけでアドレスV100のエンジンを探して用意してありました。
だけどおかげさまで自分のバイクなんかいじってる暇がありません。
あっという間に1年以上が過ぎちゃいました。

でもいいお客さんが、おもしろそうだからやってあげます って言ってくれたんですよ。
おかげさまで形になって戻ってきました。感謝!!
ほらのっかってる。

すごく乗りやすいです。
これなら70〜80キロはでそうです。
でもブレーキがかなり弱いです。
しかもフロントのサスペンションはベスパとかと同じような仕組みでブレーキのタッチ、フィーリングを悪化させます。
これが乗ってて怖いんです。
この辺はベスパや、昔のヤマハ(ベルーガ、サリアン)などにも採用されていたフールプルーフな機構なんですよね。
誰が乗ってもフロントロックでの転倒が起こりにくくなっているんです。だけどスピード出し始めるとこいつがダメ助なんですよ。
なんでこんなもんを採用するのか、その考えは別のときに詳しくご紹介するつもりです。
いらないって?^^

しかしさすがにイタ車です。
相変わらずどこもかしこも接触が悪くて電気系統はまだまだやるところがたくさんあります。
テールランプは交流12Vみたいですけど、ブレーキランプは直流12Vみたいなんですよ。
そんなもんですか?国産車こんなとこ壊れたことないしな。
バイクはわからん。・・・。
しかもエンジンスワップです。まだまだ手を加えるところがたくさんありそうです。

とりあえず動くので乗りながら少しずつ手を加えます。^^
結構ルンルンです。

あ、でもイタルジェット社ってこのあいだつぶれましたよね。
じゃあ、結局部品ないじゃん。・・・・・。
 
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 キャトルのベルトはなぜ滑る??  2005年4月
          〜プーリー作ってみました。〜

説明:
  縦サンク、キャトルなどの固有のトラブルで「ベルト鳴き」の症状があります。
  いくらベルトを交換してもすぐベルトが滑ってしまうという症状です。
  原因はいくつもあって、構造的な欠陥とも思えます。
  滑るまでのプロセスは簡単です。

 
  1、プーリーが錆びる→赤錆
  2、そのまま走る=赤錆が取れて黒錆に変化
  3、摩擦係数が減ってベルトが滑り出す
  4、滑っているのにそのまま走る=プーリーが磨耗する    

以上のようなプロセスがあります。
というわけで、20年も前からのプーリーですので滑って当然です。
プーリーの交換が必要です。

     純正のプーリーが手に入る今のうちに交換しましょう。
じゃ何でプーリー作ったの?

ではなぜ純正が手に入るのにプーリーを作るのでしょう。
実はキャトルや縦サンクには構造的に滑る理由があります。
よーく考えてください。

これらの車種は補機類を回す駆動側に、カムシャフトから回転を取り出しています。
ご存知のとおりカムシャフトはクランクシャフトの2分の1しか回転していません。
1000rpmアイドリング時にはカムシャフトは500rpmしか回転していないのです。
だからキャトルなんかはベルトの字が読めるんですね。

それで補機類をまわしても当然回転数が足りませんよね。
そのためウォーターポンプのプーリーで増速させて補機類の回転数をつじつま合わせてあるわけです。

この車種のカムプーリーはスペースの関係で通常の車より直径が小さくできています。
そのため摩擦面は結構厳しいのです。
その上ウォーターポンププーリーは増速させるために入力側は大きくすることが出来ません。
増速させるということは力は倍以上になっているのは解りますよね。
余計に摩擦的には厳しいものとなります。

だから滑りやすいのです。
キャトルの設計のころは電気製品がついていませんでした。
だから持ちこたえていたのです。

でもあなたの車には、カーステ、ヒーター、クーラー、いろんなものがついていますよね。
ですのでベルトの寿命はもちろんプーリの寿命も早いのです。

写真は、サンクアルピーヌターボに製作したものです。
この車両はクーラーがついていてベルトの取り回しまで変更されています。
オルタネーターのプーリーは本来外周の2分の1位ベルトがかかっていたはずです。
でも現車は4分の1程度しか摩擦面がなくなっていました。
これじゃあ全く無理です。ものすごい段付磨耗でV溝がU溝になっていました。

オルタネーターは電流消費が大きいとき手では回せないくらい回転が重くなっています。
そんなもんにノーマルのこんなプーリーでは歯も立ちません。
そこでやっとプーリーの製作です。

まず磨耗したプーリーは使えません。しかし純正のプーリーを使ったのでは先人の過ちそのままです。
そのためにまずプーリーを鋳物製のしっかりしたもので製作です。
FC3SのRX-7なんかでよくあるアルミなんかじゃまったくだめですよね。
そして直径を2.5インチにして外周を大きくし、摩擦面を増やして製作してやりました。
オルタネーターの回転数は多少落ちますが、古い車は大体基準のアイドル回転数以上じゃないと実はアイドルしてません。
なので少しだけアイドリングは高めに設定してやってつじつまを合わせます。


だからプーリーは製作する必要があったんですね。
納得?!

あ、ベルトが滑るからって目いっぱいに張っている方。
カムシャフトの1番ジャーナル、そのハウジングが異常磨耗しますので注意してください。
あとカムシャフト折れた人もいましたね〜。

まとめ。

  車が故障するのには理由があります。
  何度も同じところが壊れるのは、そこに理由があるからです。
  あのころの車は未完成です。根本的な問題を直せる範囲で根本的に直してあげなくては、
  いつまでたっても車は直らないんです。
  一生懸命根本的な原因を考えましょう。

だから修理に時間かかるんですよね〜
だから儲からないんですよねー。
根本的な問題はこれか。・・・。^^;

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  Hトラックって・・・。 2005年4月

          町で見かけるクレープ屋さん    
          最初見たときは、走行不能でした^^;     

ブレーキマスター もれもれです。
インナーキットを探そうと思ったのですが、この車の整備をしてたところに聞いたら、国産車の部品使ってるとのことでした。

フランス車はブレーキもミリ単位を使いますが、国産車はブレーキはインチ単位を使います。
もれないはずがありません。
こわいですねー。

らちが明かないので、ブレーキマスター新品を本国から取り寄せました。(年式によって2種類ありますよ〜)

やっぱ新品は違います。
踏むと止まるもん。・・・。
ドライブシャフトブーツも交換です。

でもねこれが大変。

40年分の泥が・・・。   
相当時間かけてやっと交換。
おお機械見たいじゃん。

というわけでした。Hトラックまだ部品手に入るのになー。

でもスピードでないし周りの状況見えないし、3速だし1600ccだし、ハンドル切れないし・・・
こりゃ町乗りはちょっと厳しいですね。

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